パリ・オリンピック(五輪)第16日の10日、卓球の女子団体決勝で日本は中国に0―3で敗れ、2大会連続の銀メダルだった。 国際舞台で高い壁であり続ける中国と戦った一戦を、2017、19年世界選手権シングルス代表の加藤美優選手(25)に振り返…

 パリ・オリンピック(五輪)第16日の10日、卓球の女子団体決勝で日本は中国に0―3で敗れ、2大会連続の銀メダルだった。

 国際舞台で高い壁であり続ける中国と戦った一戦を、2017、19年世界選手権シングルス代表の加藤美優選手(25)に振り返ってもらった。

■加藤美優の目

 3試合とも、日本は質の高いプレーができました。左の早田ひな選手、右の張本美和選手のダブルスは、ストレートで狙う作戦が有効でした。

 中国ペアにストレートを多用して相手を動かし、主導権を握りました。

 卓球はクロスに打つ方が簡単で、反射的にクロスを使いたくなるもの。徹底してストレートを打てた2人は、さすがにレベルが高い。

 最終第5ゲームは9―5から逆転されました。日本有利で進んでいたし、私は「勝った」と思いました。第3試合で1ゲームを取った張本美和選手も威力のあるボールをコースに決めたにもかかわらず、競り合いになると、王曼昱選手は何でも返してきました。

 私も中国選手と対戦し、「なんで1点を取らせてくれないの?」と感じることがあります。

 毎年開催されるような国際大会で、たまに中国選手に勝てることがあります。ただ、五輪では勝たせてくれません。

 なぜ大舞台だと中国選手はあんな底力が出るのか、正直分かりません。

 しかし4年後を見据えれば、16歳の張本選手は中国選手と対等に戦える存在になりえます。気をつけてほしいのは精神面だけです。

 いまの日本は10代の選手がどんどん台頭してきます。力が同じなら、若い選手が選ばれる世界。結果が出ない時、年齢が上の選手は苦しさを感じることがあります。

 それを乗り越えられれば、20歳になった時、きっとすごい選手になっていると思います。