(10日、プロ野球 広島東洋カープ5―1阪神タイガース) 広島が、ついに天敵を崩した。これまで10度の対戦で8勝を献上していた阪神・大竹耕太郎から、待望の勝利を挙げた。 まずは二回の攻撃。1死二、三塁から堂林翔太が外角低めの直球をとらえた。…

(10日、プロ野球 広島東洋カープ5―1阪神タイガース)

 広島が、ついに天敵を崩した。これまで10度の対戦で8勝を献上していた阪神・大竹耕太郎から、待望の勝利を挙げた。

 まずは二回の攻撃。1死二、三塁から堂林翔太が外角低めの直球をとらえた。中越えに2点適時二塁打。「昨年からやられっぱなしだったので、とにかく今日、やっつけようと話していた」

 ひょうひょうと投げ込む左腕が流れに乗る前に先取点を奪った。

 その後は我慢比べが続いたが、七回は2死から会沢翼と矢野雅哉が適時打を放つ。矢野は「1本出てよかった。森下さんの援護ができてよかった」と声を弾ませた。

 昨年の初対決から、大竹には一度も土をつけたことがなかった。チームとしても、大竹が登板した日に白星をつかんだのは1試合のみだった。そして、この日先発した森下暢仁は昨年、大竹との「対決」で4戦4敗。今年も5月22日の投げ合いで7回2失点と好投しながら、打線の援護に恵まれず黒星を喫していた。

 リードを懸命に守った森下。「ずっと勝てていないのは知っていた。先に点を取ってくれたので、粘り強く投げようと思った。最後までバランス良く投げることができた」。被安打5で完投した。

 これからの終盤戦に向けて、優勝を争う阪神の、しかも苦手としていた左腕からつかんだ勝利は、広島にとって大きな1勝だ。新井貴浩監督は「初めて土をつけることができたので、次の戦いにもつなげていきたい」。(上山浩也)