◆パリ五輪 第15日 ▽ブレイキン(9日・コンコルド広場) パリ五輪の新競技、ブレイキンの女子で、日本代表の湯浅亜実(ダンサー名=AMI、25)が金メダルを獲得した。決勝でドミニカ・バネビッチ(同=NICKA、リトアニア)を3―0で破り、初…

◆パリ五輪 第15日 ▽ブレイキン(9日・コンコルド広場)

 パリ五輪の新競技、ブレイキンの女子で、日本代表の湯浅亜実(ダンサー名=AMI、25)が金メダルを獲得した。決勝でドミニカ・バネビッチ(同=NICKA、リトアニア)を3―0で破り、初代女王に。Dリーグの「Koseiダンスチーム」に所属するプロダンサー・2GOO(ツーグー)が観戦記を寄せた。

 まずはAMI選手とAYUMI選手に「本当にお疲れ様でした、感動をありがとう」と伝えさせていただきたいです。

 ブレイキンがオリンピック競技になり、映像を見て、本当に時代が変わった瞬間だなというのが正直な意見です。自分たちが昔からやってるこのブレイキンが今やオリンピック競技ということが、もう本当に夢みたいなことなので、一層ブレイキンに対する愛が強まりました。昔はアンダーグラウンドでしかイベントはなかったので、このような大きい大会が増えていく中で、その中でオリンピックということが、また驚きが強いです。

 ブレイキンの魅力はなんと言っても、ユニティという繋がりです。言葉がしゃべれなくても、ダンスで相手とコミュニケーションが取れるツールの1つだと思っています。世界各国どこにでも友達ができる。争いのない平和的なバトルというものを使って、お互いをリスペクトし合うものだと思ってます。バトル中は相手を挑発するジェスチャーもありますけれど、やっぱりバトルが終わると、握手やハグをする瞬間はいいものだなと思いました。決勝戦後に相手の選手は日本チームの方に行って、「おめでとう」とたたえ合っている姿も見えたので、かっこよかったです。負けてしまっても相手を褒めるこはブレイキンの魅力の1つではないかなと思います。

 AMI選手を私は昔から見ていますけれど、このオリンピックのために相当練習をしてきたなということをまず感じました。基礎力、フットワークの質が格段に上がったなというのが見れ、あと自分の持ち技がかなり増えていたなという印象が強いです。

 決勝戦後のインタビューでは「準決勝の時点で、決勝でやる技を出し切ってしまった」と語っていましたが、バリエーションと基礎力の高さでカバーしていたと思います。AMI選手も「自分らしさを出していこう」と言っていましたけれど、決勝は自分らしく踊れていたと思います。

 4強に残ったAMI選手以外の3人は全員10代でしたが、やはり今までのブレイキンで生きてきた、今までのブレイキンライフが踊りに出ていました。いろいろな大会に出てきて、経歴もあり、その分オーラも出ていて、落ち着いてしっかり決めてくるところは決めていました。しっかり音も聞いて乗るという部分で勝敗が決まったのではないかなと思います。

 今後のAMI選手にはもっともっと自分を見つめて、向上心を忘れずに、さらなる進化を期待します。オリンピック以外でもバトルイベントはいっぱいあるので、いずれ僕もどこかでバトルすると思うので、その時がまた楽しみになりました。僕もそのために向上心を忘れず、練習を頑張ります。本当に勇気をもらえました。本当にもっと頑張ろうと思いました。