◆パリ五輪 第16日 ▽飛び込み(10日、アクアティクスセンター) 男子高飛び込み準決勝で2大会連続出場の玉井陸斗(JSS宝塚)が477・00点の3位で上位12人で行われる決勝進出を決めた。準決勝後に取材に応じ、「予選より良くなかったんです…

◆パリ五輪 第16日 ▽飛び込み(10日、アクアティクスセンター)

 男子高飛び込み準決勝で2大会連続出場の玉井陸斗(JSS宝塚)が477・00点の3位で上位12人で行われる決勝進出を決めた。準決勝後に取材に応じ、「予選より良くなかったんですけど、安定した演技はできてたのかなと。あんまり大きく崩れてはないと思うので、決勝では修正できる程度なのかなと思います」と、3位通過にもまったく満足していない。

 1本目の407C(後ろ踏み切り前宙返り3回半抱え型)でノースプラッシュの86・40点。いきなり、出場18人中1位の得点をたたきだした。2本目の207B(後ろ宙返り3回半えび型)は63・00点、3本目の109C(前宙返り4回半抱え型)は77・70点と前半を終えた時点で227・10点の3位だった。

 4本目の6245D(逆立ち後ろ宙返り2回2回半ひねり)が86・40点、5本目の307C(前逆宙返り3回半抱え型)が66・30点。合計379・80と5位で最終6本目を迎え、最後は5255B(後ろ宙返り2回半2回半ひねりえび型)をノースプラッシュで、97・20点という高得点で締めた。

 予選(9日)は2本目の207Bで88・20点をマークすると、3本目の109Cは90・65点の高得点。6本目の5255Bを91・80点で締め、合計497・15点の2位で通過していた。

 14歳で臨んだ21年東京五輪は、同種目21年ぶりの入賞となる7位。偉業にも「東京は何をしたらいいとか、どういう待ち方をしたらいいとかが分かってなかった」。しかし、今五輪では26人が演技した予選の待ち時間には、イギリスの選手と談笑しながらプールサイドを散歩。ウォーミングアップ中には、仲の良い豪州の選手から北朝鮮の選手を紹介され、「少しだけ話した。色んな選手にかわいがってもらえています」と、パリの空間も余裕を持って過ごしている。

 準決勝は日本時間10日の午後5時から行われ、決勝は同10時とタイトなスケジュール。「想像以上に出来は悪かったんですけど、最悪決勝に残れればいいので。決勝のことだけを考えて体力温存できたのかなと思います」と余力を持って決勝に臨む。

 今季は、4月のW杯スーパーファイナルで531・55点、国際大会での自己ベストを出して2位。パリ五輪のテスト大会でも500・55点で優勝するなど、安定して500点超えのパフォーマンスを発揮している。馬淵コーチも「普通に跳べば、メダルは取れる」と太鼓判を押す17歳。メダルへのポイントについて「207bが1番重要だと思っていて、試合の流れをつかむ上で1番必要になってくる。207を決めることで自分の気持ちも上がりますし、他の技もうまくいくのかなって思います」と2本目がキーになると分析する。いよいよ迎える決勝へ「頑張ってきます」と気持ちを口にした17歳が五輪では日本勢初となる表彰台を目指す。

 ◆玉井 陸斗(たまい・りくと)2006年9月11日、兵庫・宝塚市生まれ。17歳。3歳で水泳、小学1年から飛び込みを始める。シニアデビューとなった19年4月の日本室内選手権で史上最年少優勝。21年東京五輪男子高飛び込み7位で21年ぶりの入賞を果たし、22年世界選手権で日本史上最年少、過去最高位の銀メダル獲得。160センチ、55キロ。家族は両親と兄。