第106回全国高校野球選手権に福島代表として臨む聖光学院のメンバー20人を紹介する(丸数字は背番号)。初戦は11日。 (1)高野結羽(ゆう) 投手(3年) 最速145キロの直球と低く沈むスライダーが武器。福島市出身。小学4年まで地区のドッ…

 第106回全国高校野球選手権に福島代表として臨む聖光学院のメンバー20人を紹介する(丸数字は背番号)。初戦は11日。

(1)高野結羽(ゆう) 投手(3年)

 最速145キロの直球と低く沈むスライダーが武器。福島市出身。小学4年まで地区のドッジボールチームに所属し全国大会も経験。肩が強くなり、遠投は115メートル。父は聖光学院OBで遊撃手。3年夏は決勝で敗れた父の思いも背負う。「両親に感謝を伝えるプレーがしたい」

(2)佐藤羅天(らま) 捕手(3年)

 福島大会では先後攻を決めるジャンケンで5戦全敗するも、巧打者で配球の信頼も厚い主将。出身・仙台市の神社のお清め塩を母に送ってもらい、塩を入れた冷水を風呂でかぶるのが日課。将来の夢は、東日本大震災で活躍した姿に憧れた消防士。名前は「天真爛漫(らんまん)」が由来。

(3)菊地政善 一塁手(2年)

 2年生で唯一のベンチ入り。福島大会では毎試合適時打を放ち、5試合で12打点。ヒット後も塁上ではガッツポーズを見せない。理由は「恥ずかしいし、やり方が分からない」。帽子のつばには、先輩に「勝負師」と書いてもらった。その名の通りの活躍を甲子園でも見せる意気込みだ。

(4)志田隆之助 二塁手(3年)

 ミート力があり、福島大会の打率は6割1分1厘とチームトップ。守備の安定感も抜群。聖光学院OBでもある二つ上の兄の応援が力になった。福島県川俣町の実家にいるチワワとダックスフントのミックス犬「ふく」をこよなく愛する。LINEのアイコンにして、日々癒やされている。

(5)佐山瑞来(みずき) 三塁手(3年)

 バントなど小技が得意な「名つなぎ役」。春ごろに一時期、主将を務め、「ガツガツしたタイプではないけど、声出しなどで積極的になれた」。兄は2022年に聖光学院を夏4強に導いたエース佐山未来さん(現立教大)。憧れであり目標だ。グラブに「未来超え」と刺繡(ししゅう)している。

(6)竹田一遥 遊撃手(3年)

 50メートル走はメンバー最速5.8秒のリードオフマン。性格は「超心配性」で、納得いくまでバットを振って試合に備える。読書家の一面もあり、好きな作家は東野圭吾。「マスカレード」シリーズの主人公で、映画版では長澤まさみが演じたホテリエ山岸尚美に憧れ、将来の夢はホテルマン。

(7)青柳羽瑠(はる) 左翼手(3年)

 普段は仲間を笑わせるチームのムードメーカーだが、試合となれば別人。好機に強く、福島大会決勝では2点適時打を放った。「包容力がある」と指揮官に買われ、今春まで数カ月間、主将を務めた。「個性的なメンバーの色をなくさないよう声かけに気をつけた」。強肩強打。

(8)萩原大幹(はぎはらだいき) 中堅手(3年)

 俊足巧打で守備範囲が広い。福島大会直前に練習試合の守備であごを脱臼するハプニングに見舞われた。仲間の練習の補助に回り、控え選手の支えの大きさを実感。福島大会では打率5割をたたき出す。奈良県出身。福島に来て果物のおいしさに感激。寮で時々出される桃に目がない。

(9)木村秀明 右翼手(3年)

 セーフティーバントも得意な、パンチ力ある4番打者。本人は「4番目なだけ」と謙遜するが、指揮官は「良い投手ほど打て、意外性のあるおもしろいバッター」と評価する。球際に強い守備でもみせる。ゲームやアニメ好き。「鬼滅の刃」の主人公・竈門炭治郎から諦めない心を学んだ。

(10)古宇田(こうた)烈 投手(3年)

 福島大会で球速を145キロに更新。緊迫した場面で相手打線を抑えたが、「変化球がいまいち。50点です」と自分に厳しい。甲子園入りしてからも様々な球種を試すなど研究熱心。野手にエネルギーを与える堂々とした立ち姿から、ついた異名は「仁王様」。涙もろい一面も。

(11)色川裕 投手(3年)

 今春から横手投げになった唯一の左投手。独特の角度で相手打者を翻弄(ほんろう)する。福島大会では1回3分の1を投げ自責点2。「ふがいない結果だった。二枚看板を少しでも休ませるため、少ない出番で高いパフォーマンスを発揮したい」とリベンジを誓う。将来の夢は福島市役所職員。

(12)樋田響 捕手(3年)

 球の握り替えが素早く、二塁への送球が1.9秒とプロ並み。中学3年時、やり投げに似た投てき競技「ジャベリックスロー」の地区大会で8位入賞。2日間ほどの練習期間で、野球と同じように人さし指と中指に挟んで投げうまくいった。「甲子園ではブルペンで投手陣をもり立てマウンドに送り出したい」

(13)川上翼 外野手(3年)

 福島大会では急きょベンチ入り。裏方に徹する献身的な姿、仲間にエネルギーを与える声出しでチームを支えた。しっかり者で寮長を務める。幼少期に始めた空手は黒帯。小中学校は野球と両立し、精神力を鍛えた。「感動を与える聖光学院の野球を甲子園で見せられるのが楽しみ」

(14)星流貴 内野手(3年)

 兄は夏の甲子園に行けなかった2021年のベンチ入りメンバー。「リベンジを果たす」と入学。俊足、強肩、高い守備力と総合力が高い。一塁コーチャーの位置から相手投手の癖を分析、助言を送る。指導陣らの熱い言葉に影響され、将来の夢は「教師になって小さい子どもに教えたい」。

(15)室町倖成 内野手(3年)

 コツコツ努力を重ねるタイプ。福島大会はベンチ外も、3年生の事実上の引退試合となるチームの「壮行試合」で、涙を流しながらヒットを放ち、チームに刺激を与えた。小学生の頃、首に大けがを負って長期入院した。その時に支えてくれた看護師の姿に憧れ、同じ道を志している。

(16)村上広樹 内野手(3年)

 野球勘に優れる内野のユーティリティープレーヤー。走塁やバントでも力を発揮する。チームの癒やしキャラでもある。中学生の時にクレーンゲームで取った「おさるのジョージ」のぬいぐるみをいわき市の実家から寮に連れてきた。ジョージを抱かないと眠ることができない。

(17)深谷凛太朗 外野手(3年)

 ミート力に優れ、バットコントロールが卓越。球にくらいついて三振が少ない。しぶといプレースタイルから、指導陣は「いぶし銀」と評価する。愛知県出身。味付けが濃いめの地域で育ったといい、福島のみそ汁は薄く感じたがすっかり慣れた。福島の銘菓ままどおるが好物。

(18)谷脇璃玖(りく) 外野手(3年)

 父は大学の短距離リレー優勝メンバー、母は高校駅伝で優勝経験がある。盗塁やセーフティーバントが得意なところは父に似た。野球で悩んだ時に父から贈られたJポップ曲「ムツラボシ」をバスで聞くのがルーティン。「相手野手にプレッシャーを与えるプレーをしたい」

(19)平山春樹 投手(3年)

 チェンジアップなど多彩な変化球を操る。福島大会で登板機会はなかったが「制球力で勝負したい」と静かな闘志を燃やす。卒業後はスケートボードに挑戦予定。憧れは、パリ五輪金メダルの堀米雄斗選手。大逆転の結果に「不利な形勢でも0.1%の可能性を信じて戦うことを学んだ」。

(20)鈴木颯太 内野手(3年)

 思い切りのいいバッティングが魅力で、右の代打の切り札。春の県大会では5打点を挙げる活躍。甲子園でもゲームの流れを変える打撃が期待される。野球と両立する形で小学生の時はピアノ、中学生の時は歌を習い、音楽が得意。兄の結婚式でコブクロの「桜」を披露予定。