「阪神3-6広島」(9日、京セラドーム大阪) アピール成功じゃ!広島・森翔平投手(26)が今季初先発で5回3安打1失点(自責0)の好投。23年8月2日・DeNA戦以来、約1年ぶりの白星を手にし、好調な先発陣に厚みを加えた。チームは貯金を今…

 「阪神3-6広島」(9日、京セラドーム大阪)

 アピール成功じゃ!広島・森翔平投手(26)が今季初先発で5回3安打1失点(自責0)の好投。23年8月2日・DeNA戦以来、約1年ぶりの白星を手にし、好調な先発陣に厚みを加えた。チームは貯金を今季最多タイの「12」とし、2位・巨人との差は2ゲームに広がった。新戦力も加わり、勢いは増していくばかりだ。

 ようやくつかんだ今季初白星だ。79球に思いを乗せ、一つずつアウトを積み重ねた。森が今季初登板で1年ぶりの1勝をつかみとった。

 「いい流れをもってこられて良かった。率直にうれしいです」

 緊張の初回。「どうせ力むと思っていた」と苦笑いで振り返ったが、12球で三者凡退。「3人でいけたのは、いい入りができた」と波に乗り、三回までの無安打投球につなげた。テンポの良さに導かれるように打線も四回までに4点を援護。「野手が早めに点を取ってくれたので、勢いをもらった」とゾーン内での勝負が目立った。

 五回は小園の失策も絡み、2死一、二塁のピンチを招くと、中野に左中間を破られ、初失点。なおも2死二、三塁の場面も、森下を直球で左飛に打ち取り、最少失点で切り抜けた。

 3年目の今季へ向け、今春はスライダーの強化に取りかかった。これが悪循環の始まりだった。「イメージのスライダーを投げようとして、本来の(体の)振りじゃなくなっていた」。フォームを崩し、直球の質も低下。目標だった開幕ローテ入りも逃した。

 ファームでは原点である直球に重点を置き、質を磨いた。この日は最速150キロを計測するなど、成果を発揮。「真っすぐが強くてファウルが取れた。継続していけたら」と手応えを得た登板となった。

 8日・巨人戦(東京ドーム)後。先発し、6回1/3を5失点で2敗目を喫した大瀬良から「ついにきたね、明日頑張れ」と連絡があった。試合後には初登板を控える左腕に向け「こんな形でつないで申し訳ないですけど、彼ならやってくれる」と期待を寄せられた。「大地さんに言っていただいたことを受けて頑張ろうと思った」と森。エースから託された思いを胸にマウンドで躍動した。

 新井監督も「堂々としていましたね」と高評価。次回登板については「また考えたい」と話すにとどめたが「期待通りの素晴らしい投球だった」と称賛の言葉を並べた。

 1勝を挙げるだけでは満足していない。「任されたところでいいパフォーマンスを出すしかない。いつ投げろと言われてもいいように準備したい」。8月は6勝1敗1分けと勢いに乗るチームに、新戦力が加わった。