「阪神3-6広島」(9日、京セラドーム大阪) 夏休み真っただ中。「Family with Tigers Day」として開催され、数多くの親子連れがスタンドで声をからす中、手痛いワンプレーで試合の流れを手放してしまった。 二回だ。2死一、二…

 「阪神3-6広島」(9日、京セラドーム大阪)

 夏休み真っただ中。「Family with Tigers Day」として開催され、数多くの親子連れがスタンドで声をからす中、手痛いワンプレーで試合の流れを手放してしまった。

 二回だ。2死一、二塁から佐藤輝が林の平凡なゴロを捕球。慎重にステップを踏み一塁へ送球したが、大山が必死にグラブを伸ばしても届かないほどの悪送球に。ボールはスタンドへ。3アウトチェンジのはずが、リーグワースト17個目の失策で先制点を献上した。

 試合後、佐藤輝の失策が痛かったかと問われた阪神・岡田監督は「そういうことやろ」と薄ら笑いを浮かべた。就任以来「守りの野球」を掲げ、日頃から取れるアウトを確実に取ると繰り返してきた。「そういうことやんか」と指揮官。だが、首位・広島との大事な一戦で、またしても佐藤輝の悪癖が顔を出してしまった。

 佐藤輝は7日・ヤクルト戦(神宮)で2失策を犯すなど、後半戦13試合で早くも7失策目。今季は5月中旬に2軍降格した際、鳴尾浜で守備を鍛え直して、1軍に戻ってきた。最近は目を見張るような好守を見せる一方、目を覆いたくなるようなミスもあり、まだまだ信頼を勝ち切れていないのが現状だ。

 先発・村上もペースをつかむ前の失点にがっくりきたのか、その後、ズルズルと失点を重ねてしまう。二回を1失点と、無失点で切り抜けるのでは投手心理も試合展開もまるで違う。指揮官は「そういうことやんか、それだけやんか」。中継ぎに配置転換した伊藤将について質問が飛ぶと「いろいろ言うたらお前、まだ明日あさって試合あるから分かってまうやんか」と多くを語ることなく、囲み取材に応じた中では、今季最短30秒で打ち切った。

 2位・巨人も敗れ、ゲーム差は1のままだが、首位・広島とは3ゲームに広がった。ホームゲームで連敗は避けたい。2戦目は鯉キラー・大竹で流れを引き戻したい。