パリ・オリンピック(五輪)大会第15日の9日、今大会唯一の新競技ブレイキンの女子が行われ、難民選手団として出場したアフガニスタン出身のマニージャ・タラシュが、オランダ選手と対戦した予選の演技中に「FREE AFGHAN WOMEN(アフガ…

 パリ・オリンピック(五輪)大会第15日の9日、今大会唯一の新競技ブレイキンの女子が行われ、難民選手団として出場したアフガニスタン出身のマニージャ・タラシュが、オランダ選手と対戦した予選の演技中に「FREE AFGHAN WOMEN(アフガニスタンの女性を解放しろ)」と書かれたケープを広げた。五輪憲章は、競技中などに選手が政治的なメッセージを送ったり、ジェスチャーをしたりすることを認めていない。

 タラシュは予選で敗退した後、取材に応じて「書いてある通りだ。やりたいことを実現できない、勉強もできないアフガンの女性の助けになればと思って演技した」と語った。コーチによると、タラシュが演技中にケープを見せることは事前に知らされていなかったという。国際オリンピック委員会(IOC)は取材に対し、「選手はIOCの規律委員長から警告を受けた」としている。

 アフガニスタンでは、タリバンが実権を握った2021年以降、暫定政権がイスラム法を独自で解釈し、女性の教育や就労を制限。公共の場での楽器使用や音楽鑑賞も「若者を誤った方向に導き、社会を壊す原因だ」として遊園地や公園、ジムの利用とともに禁止した。(河崎優子)