第106回全国高校野球選手権大会第4日の10日、掛川西(静岡)と日本航空(山梨)が第4試合(午後3時45分開始予定)で初戦を迎える。隣県対決を前に、掛川西の大石卓哉監督と日本航空の豊泉啓介監督に展望や意気込みを聞いた。  ――相手校の印象…

 第106回全国高校野球選手権大会第4日の10日、掛川西(静岡)と日本航空(山梨)が第4試合(午後3時45分開始予定)で初戦を迎える。隣県対決を前に、掛川西の大石卓哉監督と日本航空の豊泉啓介監督に展望や意気込みを聞いた。

 ――相手校の印象は

 大石 練習試合もしてきた。本当に高校野球らしい、泥臭く粘りのあるチームだと思う。

 豊泉 エースの高橋郁真投手を中心に守りが堅く、最少失点に抑えて勝ち上がっている。打撃は粘り強く、小技を絡めるイメージだ。

 ――警戒する選手は

 大石 選手全員が注意すべき存在だと思う。準備をきちんとして、大舞台で自分たちの力が出せるかだ。

 豊泉 高橋投手からどれだけ点を取れるかと、最少失点で抑えられるか。お互いの投手がどれだけ頑張れるかだ。

 ――味方で鍵となる選手は

 大石 精神的、肉体的、体力的にも優れている上級生、特に主将の山下陸人がキーになる。1年からベンチに入り、チームが苦しい時にも一人元気に最後の最後までやり抜いてきた選手だ。

 豊泉 まず投手全般。どれだけ失点を抑えられるか。そして、4番の小林幹汰が、どれだけ勝負強く打ってくれるかだ。

 ――初戦はどのような試合展開になるか

 大石 粘っこい野球になると予想するが、三回が終わるぐらいに流れが決まるのではないか。試合が始まらないと読めない。静岡大会の前半はしぶとく粘って勝ち上がり、終盤は打線が活発になった。

 豊泉 投手を中心に守り勝つ野球がモットー。9イニング終わった時に1点勝っていればいいという野球を練習してきた。ロースコアで後半勝負にしたい。

 ――両校とも「泥臭い野球」を掲げている

 大石 甲子園は選手にとって夢の舞台。長所を出し合って、はつらつと躍動してくれると期待している。

 豊泉 一生懸命、一球一打に思いを込めて戦うのは、どこの高校球児も一緒。そういったテーマでやってきた。泥臭く負けないように戦いたい。

 ――お二人とも、高校時代に夏の甲子園に出場し、現在は母校で監督をしています。その経験をどう伝えていますか

 大石 甲子園はこういうところでアップするんだよとか、こういう空気感だよとか。甲子園練習もそうだが、伸び伸びやれる環境を整えられたのは経験が大きいかなと思う。必死に選手と一緒に汗を流してきた結晶として、いい舞台を踏ませてもらった。すごく感慨深い。

 豊泉 いつの時代も甲子園は夢。強い弱いは関係なく、必死に練習することで夢ってかなうんだよと。隠れてサボったりとか、そうしたことが全て結果につながる。学校生活、寮生活をいかにしっかりやるか。グラウンドでいかに一生懸命必死に練習をするか。これを毎日伝えている。

 ――最後に、初戦への意気込みを

 大石 できることは限られている。とことんやり切って、グラウンドに立ちたい。

 豊泉 最高の準備をして勝ちたい。(斉藤智子、豊平森)