「巨人5-0広島」(8日、東京ドーム) 広島が今季16度目の完封負けを喫し、連勝は7で止まった。先発の大瀬良大地投手(33)が6回1/3を投げて8安打を浴び、今季自己ワーストとなる5失点(自責2)で2敗目を喫した。昨年8月6日の対戦から続…

 「巨人5-0広島」(8日、東京ドーム)

 広島が今季16度目の完封負けを喫し、連勝は7で止まった。先発の大瀬良大地投手(33)が6回1/3を投げて8安打を浴び、今季自己ワーストとなる5失点(自責2)で2敗目を喫した。昨年8月6日の対戦から続いていた巨人戦の連続無失点も30回1/3でストップ。相手先発・戸郷とのノーヒッター対決で苦汁をなめた。

 ゼロ行進のスコアボードに突如刻まれた「5」の数字。今季、ノーヒットノーランを達成した2人による投げ合いにあって、重たすぎる失点になった。敵地に巻き起こった巨人ファンの大歓声を背にしながら伏し目がちにベンチへと引き揚げた大瀬良は「1点を取られちゃいけない試合だった。結果的に(点を)取られて申し訳ない」と責任を背負った。

 持ちこたえることができなかった。0-0で迎えた七回は先頭から連打されると一、二塁でモンテスに2戦連続となる先制打を浴びて均衡を破られた。さらに満塁から投手・戸郷に左前適時打を食らい、左翼・末包が後逸する間に走者が全員生還して試合を決められた。モンテス、戸郷ともに打たれたのは初球の変化球。「甘くいったところもあったし、実力不足」と唇をかみしめた。

 六回までは戸郷との投手戦を展開。初回1死三塁のピンチでは内野が前進守備を敷くなど、チーム全体で「1点勝負」という認識があった。その初回はヘルナンデス、岡本和の3、4番コンビを斬って無失点で発進し、「粘り強く投げた」と振り返ったものの、最終的には先に失点。「0で防がなきゃ、つないでいかなきゃ勝負できなかったので。七回にそれができなかった」とコメントの着地点は失点の場面に集中した。

 これで東京ドームでの巨人戦は2018年に1勝を挙げて以降、10戦連続未勝利となった。通算でも17試合の登板で2勝8敗。試合前の時点で防御率0・85の圧倒的な数字を残し、今季の巨人戦も失点なしという状況で迎えたマウンドだったが、鬼門を突破することはまたしてもかなわなかった。

 新井監督は右腕の投球について、「立ち上がりからいいボールが行っていたと思う」と言及。その上で失点に関しても「大地だって点を取られるときだってあるわけなので」と責めることは一切なかった。

 チームの連勝は7で止まった。大瀬良はバトンを託す9日・阪神戦で先発する森に対して、「こんな形でつないじゃって申し訳ない」と話しながらも、「彼ならやってくれると思う。また僕は切り替えてしっかり準備したい」と前を向いた。数多くの引き出しを持つ歴戦の右腕。修正して次こそ勝利をつかむ。