(8日、第106回全国高校野球選手権大会1回戦 京都国際7―3札幌日大) 京都国際の4番藤本陽毅(はるき)は、球をバットに当てるのが精いっぱいだった。 一回1死二、三塁の好機で、札幌日大・小熊の変化球は、軌道に観客がかぶって見えにくかった…

 (8日、第106回全国高校野球選手権大会1回戦 京都国際7―3札幌日大)

 京都国際の4番藤本陽毅(はるき)は、球をバットに当てるのが精いっぱいだった。

 一回1死二、三塁の好機で、札幌日大・小熊の変化球は、軌道に観客がかぶって見えにくかったという。

 1ボール2ストライクと追い込まれてから、3球ファウルで粘る。7球目、甘く入った直球を右方向にはじき返し、2点適時打とした。

 6番高岸栄太郎と8番金本祐伍も適時打を放ち、4点を先取。三、四回も加点してペースをつかんだ。

 強打は京都国際の代名詞だ。京都大会は準々決勝以降、すべて2桁得点。小牧憲継監督は、「ホームランを打てるバッターがいない分、室内練習場で(防球)ネットに低く強くぶつけ、打球の初速を上げる練習をしてきた」という。

 今春の選抜大会1回戦で青森山田に3―4と惜敗し、チームの本気度が上がったという。「正直、春は出られて満足でした。でも、青森山田といい試合ができて、みんな目の色が変わった」と藤本。

 敗戦を糧に、この夏の初戦は躍動した。(中小路徹)