(8日、第106回全国高校野球選手権大会1回戦 京都国際7―3札幌日大) 京都国際のエース、左腕の中崎琉生(るい)さん(3年)が、甲子園のマウンドに帰ってきた。12安打を許したが3点に抑え、9回を投げ抜いた。 「打線にもバックにも助けられ…

 (8日、第106回全国高校野球選手権大会1回戦 京都国際7―3札幌日大)

 京都国際のエース、左腕の中崎琉生(るい)さん(3年)が、甲子園のマウンドに帰ってきた。12安打を許したが3点に抑え、9回を投げ抜いた。

 「打線にもバックにも助けられて、ここまで来ることができた。チームのみんなを信じて投げ抜くことが大事だと改めて感じた」

 今春の選抜大会でも背番号1を背負った。主将として挑んだが、初戦で青森山田にサヨナラ負け。「二度とこんな思いはしたくない」と、悔しさをかみしめた。

 投手に専念するため、遊撃手の藤本陽毅(はるき)さん(3年)と主将を交代し、勝てる投球を追い求めた。

 投球フォームの改善に取り組み、下半身の使い方を見直した。球速よりも球の伸びや1球1球の質にこだわるようになった。厳しいコースに投げ込むための制球力も磨いた。同じ左腕で2年生の西村一毅さんが力をつけたことにも刺激を受けたという。

 チームは今春の府大会、近畿大会と勝ち続けた。手応えを感じる一方で、追われる立場の重圧も味わった。2日の甲子園練習後に言った。

 「強い気持ちでもう一度、マウンドに立ちたい」

 その言葉の通り、得意のスライダーを武器に、札幌日大の打線と渡りあった。12個の三振を奪い、無四球で要所を締めた。

 「ピンチの場面でも焦らず、落ち着いて投げられた。次の試合も全員で立ち向かっていきたい」(八百板一平)