パリ五輪のレスリング男子グレコローマン77キロ級決勝が7日(日本時間8日未明)にあり、高松市出身の日下尚(なお)選手(23)=三恵海運=が金メダルを獲得した。高松市総合体育館のパブリックビューイング(PV)会場では市民ら約90人が見守り、…

 パリ五輪のレスリング男子グレコローマン77キロ級決勝が7日(日本時間8日未明)にあり、高松市出身の日下尚(なお)選手(23)=三恵海運=が金メダルを獲得した。高松市総合体育館のパブリックビューイング(PV)会場では市民ら約90人が見守り、歓声をあげた。

 決勝は午前3時すぎに始まった。観客たちは「尚」と大きく書いた黄色いうちわを振りながら、「頑張れ、頑張れ、尚」などとコールした。

 相手はカザフスタンの選手。日下選手は、第1ピリオドを2点ビハインドで折り返した。第2ピリオド開始直後、4点技を繰り出して逆転し、その後さらに1点追加した。

 残り時間5秒になると、PV会場の観客たちはカウントダウンの声を上げた。タイムアップの瞬間、バンザイと手を上げ、「やった」などと叫んで喜びを分かち合った。

 日下選手は高校時代まで高松市で過ごした。高松市出身の選手の金メダル獲得は、前回の東京五輪フェンシング男子エペ団体の宇山賢さんに続き、2大会連続。

■「4年後は自分も」 後輩や市民に夢与える

 PV会場には多くの関係者も駆けつけた。

 日下選手が3歳でレスリングを始めた高松レスリングクラブコーチの山下和代さん(57)は「私はレスリングが楽しいっていうのを教えただけ。今度は子どもたちが尚に憧れて、オリンピックを目指すようになってくれると思う」と声を弾ませた。

 母校・高松北高校の後輩で、今年4月、アジア選手権の男子グレコローマン82キロ級で、日本の男子高校選手として初優勝した同高3年の吉田泰造さんは「(勝利した瞬間、)4年後は自分もっていう思いがすぐに浮かんだ。日下尚を目指して、日下尚を応援できるようにこれから頑張っていきたい」と意気込んだ。

 高松市の大西秀人市長は「市民に夢を与えて頂けたと思っている。市民の誇り。みんなでお祝いをしたい」と話した。(内海日和)