第106回全国高校野球選手権大会(日本高校野球連盟、朝日新聞社主催)の開会式が7日、阪神甲子園球場(兵庫県西宮市)であった。32年ぶり9回目の大舞台となる島根代表の大社は、出場49校中13番目に入場した。 島根大会の深紅の優勝旗を手にした…

 第106回全国高校野球選手権大会(日本高校野球連盟、朝日新聞社主催)の開会式が7日、阪神甲子園球場(兵庫県西宮市)であった。32年ぶり9回目の大舞台となる島根代表の大社は、出場49校中13番目に入場した。

 島根大会の深紅の優勝旗を手にした石原勇翔主将(3年)を先頭に、選手20人が足並みをそろえて力強く行進。腕を振り、一歩一歩確かな足取りでグラウンドを踏みしめた。

 三塁側の内野スタンドで見守った園山純正選手(同)の父真哉さん(46)は、自身も大社出身で全国大会には出られなかった世代。「何とも言えませんね」と言葉を詰まらせた後、「あのユニホームが甲子園を歩いている。20人が大きく見え、感無量です」。

 高梨壱盛選手(3年)の母和美さん(52)と、安部莉生選手(3年)の母志保さん(43)は、寮生活で年2度しか帰省しない息子を遠くの離島で見守ってきた。甲子園に連れて行く、という息子に「はいはい、と簡単に返していたけど」と和美さん。「ほんとに、すごいね」と志保さんと顔を見合わせ、うなずき合った。

 開会式終了後、石原主将は「人の数が多すぎてびっくり。歩いているうち緊張が解け、楽しい気持ちになりました」。「歴代の選手の分まで、しっかり歩こう」と、事前に仲間と腕を振る角度などを確認したという。聖地は「みんなに包まれている感じで、狭く感じた」と頼もしく話した。

 チームは同日午後は兵庫県内で練習。大会第5日第3試合(11日午後1時10分開始予定)の兵庫代表・報徳学園との初戦に備えた。(中川史)