SNSでの中傷被害を訴えていた柳井綾音が7日、パリ五輪陸上の混合競歩リレーに出場し、13位に終わった。レース後、「五輪は多くの人が注目して見てくれる。中傷については無視が一番。見ないようにする方がいいと思った」と振り返った。 日本陸上競技…

 SNSでの中傷被害を訴えていた柳井綾音が7日、パリ五輪陸上の混合競歩リレーに出場し、13位に終わった。レース後、「五輪は多くの人が注目して見てくれる。中傷については無視が一番。見ないようにする方がいいと思った」と振り返った。

 日本陸上競技連盟は7月29日、リレー種目に専念するため、柳井らが個人種目の出場を辞退すると発表。柳井も同日、自身のX(旧・ツイッター)で伝えると、SNSで「身勝手だ」などと心ない批判が相次いだ。

 7日にパリ中心部であったレースでは、沿道で日本の国旗を振り、「頑張れ」と声援を送る多くの観客がいた。柳井は「嫌な思いをしたけど、それよりも、たくさんの人が応援してくれているというのを歩いて実感した」と話した。

 柳井が被害を訴えた後、日本陸連の今村文男シニアディレクターは柳井の思いを聞き、「気にしない方がいい。目や脳を休めな」と助言した。その後、友人とオンライン通話するなどするうちに、明るさを取り戻してきたという。

 目指していたメダルには届かなかったが、柳井は「団体の1種目に絞ったことで、全力を出し切れたことは本当によかった」と話した。(河崎優子)