昨秋に右ひじを手術し、日米通算200勝まであと3勝に迫る東北楽天ゴールデンイーグルスの田中将大投手(35)が7日、森林どりスタジアム泉(仙台市)であった富士大との2軍の練習試合に先発し、3月以来の実戦登板を果たした。1回を2安打1四球、2…

 昨秋に右ひじを手術し、日米通算200勝まであと3勝に迫る東北楽天ゴールデンイーグルスの田中将大投手(35)が7日、森林どりスタジアム泉(仙台市)であった富士大との2軍の練習試合に先発し、3月以来の実戦登板を果たした。1回を2安打1四球、2失点。試合後の報道陣との主なやりとりは次の通り。

 ――久しぶりの実戦登板を終えて。

 「ほっとしましたね。とにかくゲームレベルであれだけ腕を振って投げられたこと自体が今年初めてだったので。まあ内容っていうところではもちろんバラバラで、もちろん良いとは言えないですけど、ステップとして今日こういうステップを踏めたことはすごく自分の中にとっては大きな一歩になったかなと思います」

 ――ひじの状態は。

 「だいぶ時間がかかりましたけど、こうしてゲームで投げてっていうステップまでこられていることが一番だと思うので。まあ今日投げて、明日以降どういう反応ができるか見ていかないといけない。とにかく今日はほっとしています」

 ――開幕からファームで調整。復帰に向けてどう取り組んできたのか。

 「まだ1軍のマウンドに立ったわけではないし、まだまだステップとして踏んでいかないといけないところがたくさんあるので、まだまだですけども。1イニングと、周りからみたら、ささいなところかもしれないですけど、自分にとっては大きな一歩だったと思うので、今日、いろいろ感じた部分を踏まえて、また明日以降やっていきたいなと思いますけど」

 ――復帰を待つファンのコメントがSNSに。ファンや支えてくれた方にはどんな思いがあるか。

 「1軍のマウンドに立って、勝つっていうところから、本当の、そういう支えて下さった方だったり、応援してくれている方への恩返しだと思うので、まだまだ始まったばかり。また、そういうふうになれた時に、みんなに胸をはって伝えることができたらなと思います」

 ――今後のステップは?

 「もちろんイニングを伸ばしてとか、球数を増やしてっていうところになってきますけど、とりあえず明日の状態をみてって感じですかね」

 ――3月にイースタンで投げたのが最後。あの時の判断はどういうものだったのか。

 「状態ですか? まあコンディションが良くなかった」

 ――きょうは最速146キロ。これまでのプルペンと比べて実際の感覚はどうだったか。

 「あそこまで投げられたっていうことが自分の中で今後の自信になりますし、なんかこう、第一歩として安心できる材料になりました」

 ――前に進む原動力は。

 「今回もちょっとなかなかコンディションの部分でなかなか上がってこずに、本当に色々悩みましたけど、その中でたくさんの方に支えていただいて、その中でまだまだ自分にも、もちろんこう、年とともに落ちていく部分はありますけど、いろいろ突き詰めていく中で、まだまだ、こうしていったらやれるんじゃないかとか、伸びしろを練習しながら感じられたので。自分はやっぱり野球が好きだなというふうに思いながら、もっとうまくなってやるぞと思って日々やっています」

 ――日米通算200勝までの思いは?

 「まあ、そこも含めてですね、そこを応援してくださっている方のためにも頑張りたいですし、そこが自分の原動力の一つでもあるし、でも、まずは自分のやらなければいけないことをやって、そこに立てるようにとは思っています」

 ――慎重に調整した中での今日の登板になった?

 「このタイミングで慎重に……。いや、もう前に進めると思ったから進んだだけです。もったいぶったわけじゃないです。いけると思ったから、この日になっただけです」

 ――「今年一番力を入れて投げられた」と言っていた。3月のオープン戦よりも良かったか?

 「全然余裕で。静岡で1回、146キロ出たとかいうのは球場の誤表示だった。実際は141、142キロぐらいしか出ていなかったので。それを踏まえて、今日は146キロ出たというのは、一つ安心できる材料。久しぶりに腕を振れた、力入ったというのは大事かな。ここから上げていけるかなと感じている」

 ――今江監督は「田中投手に期待している」と。

 「まずは自分のことをしっかりやるしかないんで。戦力となれる状態でいないと、1軍のマウンドには上がれない。まだまだ足りないところだらけですけど、自分の中では大きな一歩を踏み出せたなと」

 ――ファームの練習の中で向き合い方など、変化はあったか。

 「いろんな人と話をしたり、トレーニングをやっていく中で、こういう体の使い方をしよう、ああしようというのがいろいろあって。数字にも表れてきたりとか、いい意味で、体の変化も感じている。今後、自分の野球人生、まだまだ終わるつもりはないので。この期間、1年という期間で見れば、長い間、こういう風になっていてまだまだゲームに出られる状態ではないが、長い目で見れば、この時期はすごく大きい期間。この先、まだあるので。そういう時間にはできていると思います。いろんな経験もできて、アイデアもあって」

 ――いい意味で自分を見直せる、と。

 「はい、そうです」

 ――間に合うなら、今季もまだ復帰する?

 「そりゃそうでしょ。その気持ちがなければ、今日、ゲームで投げていないですよ」