アーティスティックスイミングチームの日本は、フリールーティン(FR)で痛恨の減点があり、343.0291点の6位。前日のテクニカルルーティン(TR)は3位だったが、合計627.9308点でメダル圏外の4位に後退した。 泳ぎ終え、点数を待つ…

 アーティスティックスイミングチームの日本は、フリールーティン(FR)で痛恨の減点があり、343.0291点の6位。前日のテクニカルルーティン(TR)は3位だったが、合計627.9308点でメダル圏外の4位に後退した。

 泳ぎ終え、点数を待つ時間が長かった。電光掲示板に点数が映し出された瞬間、中央に座っていた佐藤友花が泣き崩れた。両脇をチームメートに抱えられながら、プールを後にした。

 二つ目のジャンプ技が認められなかった。ジャンパーの佐藤が土台とかみ合わなかったか、高さが足りずに滞空時間が短くなった。その分、申請通りに体を伸ばしきれずに着水。これが減点の対象となった。

 競技後すぐ、前日のTRと同じように中島貴子ヘッドコーチ(HC)は抗議に向かったが、日本と米国の減点が覆った前日とは一転、日本を含めて少なくとも3カ国が行った抗議はいずれも認められなかった。500スイスフラン(約8万5千円)の抗議料も戻ってこなかった。

 このFRが日本にとっては点数の稼ぎどころだった。そこで約15点を失う形で、首位中国の背中は遠のき、米国、スペインを追う形になってしまった。残るアクロバティックルーティン(AR)は、日本が苦手としてきた種目。そこで中島HCは難易度を上げて、逆転を狙う決断をした。「佐藤も恐怖はあると思うが、きっと打ち勝ってくれる」。メダルへ、教え子たちの反発力にかけていた。(藤木健)