レスリングの男子グレコローマン77キロ級の準決勝で日下尚(なお)は、2021年の世界選手権を制したアルメニアの選手と戦った。手ごわい相手が試合時間を数秒残して、日下の前でしゃがみこんだ。体力切れだった。「6分間、前に出て相手の気持ちをへし…

 レスリングの男子グレコローマン77キロ級の準決勝で日下尚(なお)は、2021年の世界選手権を制したアルメニアの選手と戦った。手ごわい相手が試合時間を数秒残して、日下の前でしゃがみこんだ。体力切れだった。「6分間、前に出て相手の気持ちをへし折る。根性で相手をねじ伏せる」と日下。前に出続けたことで相手の体力を削りとっていった。

 この日の1回戦ではアルジェリアの選手、2回戦ではウズベキスタンの選手とあたった。「初めて組み合った時点から自分の圧が通じるっていうことは、肌身で感じながらやっていた」。どちらも試合時間の6分間を待たずして大差がつき、試合が終わった。

 準決勝は別だった。相手に当たったときから強さを感じた。第1ピリオドは1点を先行した後に、追いつかれた。焦った。ただ、圧力をかけていく作戦は変わらない。