「巨人0-5広島」(6日、東京ドーム) われらが大将とともに猛加速じゃー!!左太もも裏の肉離れで戦線離脱していた広島の末包昇大外野手(28)が1軍復帰即スタメン起用されると、7号ソロを放って復活を印象づけた。本塁打を打てば今季7戦7勝でチ…

 「巨人0-5広島」(6日、東京ドーム)

 われらが大将とともに猛加速じゃー!!左太もも裏の肉離れで戦線離脱していた広島の末包昇大外野手(28)が1軍復帰即スタメン起用されると、7号ソロを放って復活を印象づけた。本塁打を打てば今季7戦7勝でチームも今季最長の7連勝。貯金も同最多の「12」まで積み重ねた。首位固めへこのまま突っ走る。

 ド派手な帰還だ。ホームランバッターらしく、末包がファンに大きなアーチで“ただいま”を伝えた。復帰初戦で一発と二塁打のマルチ安打をマーク。いきなりの大活躍に、「ゾーンで打ちにいけていたので良かったですし、その中で結果が出たのでホッとしました」と充実感たっぷりに汗を拭った。

 積極性が実を結んだ。前打者の坂倉が一発を放って迎えた六回無死での3打席目。防御率1点台だった相手先発・山崎伊が投じた初球を振り切ると、左翼席中段に飛び込む豪快な放物線を描いた。久々の1軍舞台に「緊張はあった」。それだけにゆっくりとダイヤモンドを一周すると、雄たけびを上げながら、ナインとタッチを交わして喜びを爆発させた。

 八回1死での4打席目でも平内が投じた初球の152キロをはじき返して、強烈なライナーでの中越え二塁打。結局、この日は打席内で投じられた7球全てにスイングを仕掛けた。「見て見て、だと自分のバッティングがどうなっているのか分からない。復帰一発目だったので、ゾーンでいけると思ったら全部いこうと思っていた」。自身の現在地の確認を試みた中での快音。昨季の打率が・344で対戦チーム別では最多となる6本塁打だった巨人戦でまたしても結果を残し、相性の良さを改めて証明した。

 6月22日・中日戦での左翼守備時に左太もも裏を負傷して戦線離脱した。1月にも左膝を故障していただけに、負傷直後は「情けない」という思いが口を突いて出た。それでも気持ちを切り替えて前半戦の反省にいそしみ、後半戦に備えることに集中。今年1月の故障時には自主トレを一緒に行ったカブス・鈴木誠也から「ケガしたことが全てではない。全部がプラスになるし、ケガしたこともプラスに変えているから」と実体験を教えてもらった。師匠からの“金言”はここでも末包を支えることになった。

 球団としても特別な8月6日に勝利。そんな1日にドでかいアーチをかけた末包は「野球ができること自体に感謝しないといけないし、広島のために頑張れていることは良かった」と語った。チームは7連勝で首位を堅持。自身が本塁打を放てば今季7戦7勝と不敗神話も継続した。巻き返しへの思いを強く持つ男が打って打って打ちまくって、広島に歓喜を呼び込む。

 ◆末包がGキラーぶり発揮 末包の今季巨人戦は打率・462(13打数6安打)、2本塁打、4打点。打率と本塁打は対戦球団別で最も好成績。打点も阪神戦と並ぶ最多タイとなった。また昨季巨人戦も打率・344(32打数11安打)、6本塁打、11打点で本塁打数と打点は対戦球団別最高の数字だった。なお、プロ通算20本塁打で、そのうちの8本塁打が巨人戦。