「ヤクルト5-4阪神」(6日、神宮球場) 村上の打球が中堅へ抜けていく。二走・増田の生還を、阪神の守護神・岩崎はぼうぜんとした表情で見つめた。九回2死一、二塁から外角低めの直球をはじき返され、今季4度目のサヨナラ負けを喫した。 「まだ後ろ…

 「ヤクルト5-4阪神」(6日、神宮球場)

 村上の打球が中堅へ抜けていく。二走・増田の生還を、阪神の守護神・岩崎はぼうぜんとした表情で見つめた。九回2死一、二塁から外角低めの直球をはじき返され、今季4度目のサヨナラ負けを喫した。

 「まだ後ろ(の打者)でもええんやから。満塁にしても。まあ、先頭(打者)やな。追い込んでのな、あんな甘い球な。インコース真っすぐやもんなあ、先頭におまえ。(後続が)ちょこちょこ(やってくることは)打順的にな、目に見えとるわけやから」

 岡田彰布監督はサヨナラの場面とともに、九回の先頭・増田への慎重さを欠いた岩崎の投球を指摘。ただ、それよりも今季ワーストとなった1試合4併殺の打線を嘆いた。

 「強引にいきすぎよな。みんな引っ張ってのゲッツーやろ。ゲッツーがあかんとは言えへんけどなあ。なんかヒットが出てるから、そうなるんやろうな」

 好調がゆえの落とし穴だった。初回は1死一、二塁で大山が遊ゴロ併殺、二回は無死一、二塁で梅野が三ゴロ併殺、五回は1死一塁で再び大山が一ゴロ併殺、七回は1死一、二塁で森下が遊ゴロ併殺に倒れた。4併殺中3つが引っ張っての内野ゴロ。森下が10試合連続打点を挙げるなど後半戦に入って打線に当たりが出ているからこそ、好機で強引な打撃が目立っていると虎将は分析した。

 八回は同点とし、8分間の雨天中断を挟んだ1死一、三塁で、梅野が空振り三振に倒れた。続く代打・原口も遊ゴロで勝ち越しを逃した。梅野には試合前の打撃練習中に直接声をかけていた。「一、二塁間に打て言うてんのに一発もいかんかったなあ。あの打席でも、振るからな、当てにいかへんもんな」と苦言は止まらなかった。

 拙攻の連続で、節目の100戦目となる9連戦の初戦を落とした。首位広島とは2・5差に後退。昨年は100試合を終えて貯金20、2位広島と4・5差で首位を走っていた。混戦はこの先も続いていきそうだ。

 ◆両リーグワーストの86併殺打に… 阪神はこの日で両リーグワーストとなる今季86併殺打。また1試合4併殺は今季ワーストで2017年4月2日・広島戦以来。