(4日、第106回全国高校野球選手権大会 組み合わせ抽選会)■Aゾーン 4季連続出場の広陵(広島)は1年から活躍する好右腕・高尾響が柱だ。野手陣も広島大会6試合で2失策と隙がない。熊本工は熊本大会で26四死球。機動力も絡め、重圧をかけたい。…

(4日、第106回全国高校野球選手権大会 組み合わせ抽選会)

■Aゾーン

 4季連続出場の広陵(広島)は1年から活躍する好右腕・高尾響が柱だ。野手陣も広島大会6試合で2失策と隙がない。熊本工は熊本大会で26四死球。機動力も絡め、重圧をかけたい。

 東海大相模(神奈川)はチーム打率が4割に迫る。特に遊撃手の才田和空(わく)は打率6割3分6厘、11打点と際立った。富山商は与四死球の少ない投手陣の継投でかわし、競り合いに持ち込みたい。

■Bゾーン

 関東第一(東東京)は総合力が高い。4割7分8厘の4番高橋徹平を筆頭に、バントなど小技も絡めて得点できる。北陸(福井)は抑えの最速150キロに迫る右腕、竹田海士にいい形でつなぎたい。

 鳥取城北は田中勇飛、鈴木欧音らタイプの違う複数の投手を擁する。小刻みな継投で明徳義塾(高知)の打線をかわしたいが、高知大会4試合で15犠打と勝負に徹する馬淵史郎監督の采配にも注目だ。

■Cゾーン

 今春の東北大会4強の青森山田がリードする。青森大会5試合で53得点、チーム打率4割1厘と打線は強力。長野日大は長野大会で20イニング以上を投げ、無失点だった変則左腕のエース山田羽琉(はる)がどう抑えるか。

 石橋(栃木)と聖和学園(宮城)は初出場校同士の対戦。互いに地方大会決勝は乱打戦を制している。ともに持ち味を発揮して、終盤までもつれる打撃戦を期待したい。

■Dゾーン

 智弁和歌山がリードする。チーム打率3割9分3厘で、花田悠月、松嶋祥斗の中軸は長打力もある。霞ケ浦(茨城)は187センチの2年生左腕・市村才樹が緩急を使って強力打線に対抗したい。

 滋賀学園は5試合で2失策と堅守が光る。遊撃手の岩井天史(てんすけ)は打っても3番で打率5割近い攻守の要。有田工(佐賀)は5試合14盗塁、18犠打の機動力で攻めたい。この勝者と当たる春の東北王者・花巻東(岩手)は初戦までどう調整するか。

■Eゾーン

 春夏連覇をめざす健大高崎(群馬)や春夏9度優勝の大阪桐蔭ら、実力校がそろう激戦区になった。

 史上8校目の春夏連覇を狙う健大高崎は、エース佐藤龍月をけがで欠くが、チーム打率3割7分1厘、49校中トップの7本塁打と強力打線は健在。英明(香川)は多彩な変化球を持つエース清家準を中心に踏ん張れるか。

 大阪桐蔭と興南(沖縄)は1回戦屈指の好カード。大阪桐蔭は平嶋桂知(かいち)、森陽樹らレベルの高い6投手がそろう。興南も最速149キロの本格派左腕・田崎颯士(りゅうと)を擁し、1点を争う投手戦が期待できそうだ。

 4年連続出場で春の九州王者・明豊(大分)も力がある。ともに打率4割超で俊足の1番木村留偉、2番高木真心(しん)は出塁すると手ごわい。小松大谷(石川)は、選抜4強の星稜を決勝で6安打完封した右腕・西川大智が抑えたい。

 智弁学園(奈良)と岐阜城北はともに1番打者に力があり、リードオフマンの出塁がカギを握る。

■Fゾーン

 春の近畿王者・京都国際と、昨秋から県内では公式戦無敗の花咲徳栄(埼玉)が軸になりそうだ。

 選抜を経験した京都国際の左腕・中崎琉生(るい)は球威があり、コーナーを突く制球力もある。札幌日大(南北海道)の左腕小熊梓龍(しりゅう)が持ち味のテンポ良く投げるスタイルを貫き、終盤まで接戦に持ち込みたい。

 花咲徳栄は7試合で63得点をマークするなど、プロ注目の遊撃手・石塚裕惺を中心とした強力打線が強み。春夏通じて初の甲子園となった新潟産大付は宮田塁翔(るいと)と田中拓朗の右腕コンビによる継投のタイミングが鍵になるだろう。

 金足農(秋田)は2年生エース吉田大輝(たいき)が柱だ。チーム打率3割8分1厘と好調の西日本短大付(福岡)の打線に対し、自慢の直球がどこまで通用するか。南陽工(山口)は単打でつなぐ打線が持ち味で、粘り強い。菰野(三重)はスタメン全員が2年生で勝ち上がってきた勢いで、甲子園初勝利をめざす。

■Gゾーン

 激戦区の千葉を勝ち抜いた木更津総合と、昨夏4強の神村学園(鹿児島)の顔合わせは注目だ。木更津総合は千葉大会7試合で5失点。ともに右腕の千葉雄斗と石沢順平の二枚看板に安定感がある。準々決勝では選抜4強の中央学院を2人の継投で無失点に抑えた。

 神村学園は強打を誇る。昨夏のメンバーが10人残ったチームは、鹿児島大会5試合で42得点。出場校中トップのチーム打率4割3厘の打力で打ち崩せるか。

 中京大中京(愛知)も6試合で41得点の打力が自慢。計10安打した4番杉浦正悦を中心にスイングが鋭い。宮崎商は得意とする細かい継投で打者の目先を変えたい。

 初出場の聖カタリナ(愛媛)は身長190センチで最速143キロの右腕有馬恵叶(けいと)が鍵を握る。岡山学芸館はノーシードから俊足の1番古謝志侑(しゅう)らを中心に機動力を武器に勝ち上がった。小技で揺さぶられても冷静さを保ちたい。

 掛川西(静岡)と日本航空(山梨)は隣県対決。掛川西は6試合で4失策、日本航空は5試合で3失策と、ともに「守り勝つ野球」が信条だ。大舞台でも発揮できれば、終盤までもつれる展開になりそうだ。26年ぶり出場の掛川西は1964年の第46回大会以来、60年ぶりの夏勝利をめざす。

■Hゾーン

 選抜準優勝の報徳学園(兵庫)を崩すのは簡単ではない。最速150キロ超の右腕今朝丸裕喜を軸に、7試合で計8失点。大社(島根)は6試合で29盗塁の機動力と小技でペースを乱したい。

 鶴岡東(山形)と聖光学院(福島)の東北対決は注目だ。鶴岡東は高校日本代表候補で総合力の高い左腕、桜井椿稀(つばき)が安定。聖光学院も5試合で1失策と守りが堅く、1点が重い試合になりそう。

 早稲田実(西東京)は準々決勝から3試合連続で2桁得点した攻撃力が売りだ。鳴門渦潮(徳島)は打撃戦に持ち込ませてはいけない。エースで4番の岡田力樹(りゅうき)を中心に、丁寧に守りたい。

 白樺学園(北北海道)は左右の異なる4投手が登板した。創成館(長崎)は武器の機動力で早い回から走者を動かし、昨夏の甲子園を経験したエース右腕村田昊徽(ごうき)を援護したい。