演出の一部がキリスト教を嘲笑したとしてカトリック関係者らの反発を招いたパリ五輪の開会式について、ローマ教皇庁(バチカン)は3日、「いくつかの場面に悲しんでいる」との声明を発表した。開会式の演出家は問題の場面とキリスト教の関連を否定したが、…

 演出の一部がキリスト教を嘲笑したとしてカトリック関係者らの反発を招いたパリ五輪の開会式について、ローマ教皇庁(バチカン)は3日、「いくつかの場面に悲しんでいる」との声明を発表した。開会式の演出家は問題の場面とキリスト教の関連を否定したが、波紋が続いている。

 7月26日の開会式では、後半の一部の演出で性的少数者のDJ、歌手らが登場。その場面がキリストと弟子を描いたレオナルド・ダビンチの「最後の晩餐(ばんさん)」をパロディー化してキリスト教を嘲笑したなどと一部で受けとめられ、仏国内外のカトリック関係者や右翼政治家の反発を招いた。

 バチカンは3日に発表した声明で、開会式をめぐる騒動について「キリスト教徒や他宗教の信者への侮辱を嘆く声に加わるほかない」と表明。具体的な場面には言及していないが、問題視されている開会式の演出がキリスト教への侮辱に当たるとの認識を示した形だ。