パリ・オリンピック(五輪)第9日の3日、卓球の女子シングルス3位決定戦で、早田ひなが申裕斌(韓国)を4―2で破り、銅メダルに輝いた。 左手首を負傷した状態で勝ち切った一戦について、2019年世界選手権シングルス代表の加藤美優選手(25)に…
パリ・オリンピック(五輪)第9日の3日、卓球の女子シングルス3位決定戦で、早田ひなが申裕斌(韓国)を4―2で破り、銅メダルに輝いた。
左手首を負傷した状態で勝ち切った一戦について、2019年世界選手権シングルス代表の加藤美優選手(25)に語ってもらった。
■加藤美優の目
3位決定戦に勝った早田ひな選手はラケットを持つ左手首を痛めていた、と聞きました。
私も高校時代からの蓄積疲労で慢性的な痛みがあり、ドライヤーを持つのもきついのです。重心が先にあり、頭上に上げると、痛い。ボウリングはできません。
でも、3位決定戦を見た限り、目立ったミスはありませんでした。
序盤こそ浮いたレシーブを攻められていましたが、中盤以降は落ち着いて戦えていました。
無理して強く打つのをやめ、逆に相手が出てくるところを待つ。「打てる球」と「打たない方がいい球」の見極めが良かった。申裕斌選手と相性が良いのも好材料。早田選手が一枚上手だから安心して見ていられました。
女子シングルスで日本勢は2大会連続の銅メダル。私も長年海外で戦ってきましたが、年々、日本のレベルは上がっています。強化体制が整ってきたことが大きな要因です。
以前はコーチやスタッフ、複数の練習相手がつく選手はほとんどいませんでしたが、今は代表クラスなら個々で万全のサポートが受けられる。特に早田選手は断トツの体制が組めています。
最近は国際大会で中国勢に「普通に」勝つ選手がいて、「中国に勝った」と驚かれる時代ではなくなりつつあります。
5日から始まる女子団体戦は16歳の張本美和選手にも期待しています。
私も対戦したことがありますが、背が高く、上から突き刺さってくるような球の軌道。リーチがあり、海外の選手と戦っているような感覚です。数年後には中国と同等、もしくは勝てる選手になる素質の持ち主です。
団体戦ではエースの早田選手がシングルス2試合に出場するのが望ましい形。平野美宇選手を含め3人とも力があり、ひいき目なしで、決勝までは進めると期待しています。
勝ち上がってくるであろう中国とどんなオーダーで対戦するか、楽しみです。