「広島4-1中日」(3日、マツダスタジアム) 真夏の森下劇場が開演じゃ~!!広島の森下暢仁投手(26)が投げては8回7安打1失点の力投で8勝目。打っては決勝の勝ち越し2点適時打を放ち、投打の主役を演じきった。これでチームは今季2度目の5連…

 「広島4-1中日」(3日、マツダスタジアム)

 真夏の森下劇場が開演じゃ~!!広島の森下暢仁投手(26)が投げては8回7安打1失点の力投で8勝目。打っては決勝の勝ち越し2点適時打を放ち、投打の主役を演じきった。これでチームは今季2度目の5連勝で首位をキープ。貯金も今季最多の「10」に到達し、破竹の勢いが止まらない。

 週に一度だけ鯉打線の8番に座る男はピッチャーでありながら、その打棒は頼もしい。森下がまた打った。同点に追いついた直後の五回に勝ち越しの2点適時打。本業の投球でも8勝をつかむと、お立ち台では「今回も床田さんが『打っていいよ』と言っていたので、1本出てよかったです」とライバルを“刺激”してファンの笑いを誘った。

 1点を追う五回は相手の失策で同点に追いつき、なおも無死二、三塁の絶好機で打席を迎えた。「三振せずに打球を前に飛ばしたいという思いがあった」。マウンド上の大野に追い込まれてから高めの直球を振り抜いた打球は高いゴロで中前へと抜けていき、値千金の一打。塁上では一塁ベンチに拳を強く掲げ、満員に膨れ上がったスタンドの盛り上がりはピークに達した。

 同じく打撃が得意な床田とはお互いに対抗心を燃やす間柄。今回の登板前には「(今季の安打が)10本目行くのと、あとは3割切りたくないので、キープしてきますという話をした」。結果的に今季10安打目が勝ち越し打となり、打率も・303。得点圏打率に至っては5割をキープして、ライバルに力を見せつけ、7月17日・DeNA戦から続く8番起用に応えて見せた。

 投げても過酷な暑さの中で躍動。三回は1死一、三塁から福永に先制打を浴び、「やってしまった」。それでも次打者・カリステの痛烈なライナーを二塁手・菊池がダイビングキャッチで併殺を完成させ、ピンチを脱出。「本当に助かるし、あそこに打たせれば大丈夫と思っている」。この日は4度も先頭打者の出塁を許しながらも、野手陣の好守も受けて、101球の熱投となった。

 夏場に8回まで投げ抜いた森下の姿に新井監督も「ブルペンの負担も軽くしてくれて、本当にこちらも助かった」と最敬礼。これでチームは今季2度目の5連勝で、8月はまだ負けなしだ。首位固めへの機運が高まる中、森下は「チームの雰囲気はいいし、勝ったら皆さんの笑顔がみられるので今後も頑張りたいです」と鯉党のハートをわしづかみにした。大混戦のセ界を抜け出すため、背番号18が投打で結果を示し続ける。