「広島1-0中日」(2日、マツダスタジアム) 広島が接戦を制して今季4度目の4連勝を飾った。両軍無得点の六回1死二塁で、小園海斗内野手(24)が決勝の適時打。4番として今季50試合目の先発出場となった中、勝負強さを見せつけた。チームは首位…

 「広島1-0中日」(2日、マツダスタジアム)

 広島が接戦を制して今季4度目の4連勝を飾った。両軍無得点の六回1死二塁で、小園海斗内野手(24)が決勝の適時打。4番として今季50試合目の先発出場となった中、勝負強さを見せつけた。チームは首位の座を死守して中日戦の連敗も4でストップ。投打がかみ合った好循環を継続させ、さらなる連勝街道を突き進む。

 絶妙なバットコントロールで運んだ打球が右前で弾む。スタンド全体が盛り上がりに包まれる中、小園はベンチに向かって右手を突き上げた。接戦でこそ光る打撃技術と勝負強さ。鯉の4番が4連勝へといざなった。

 六回、1死二塁の好機で打席が巡った。2球で追い込まれたが、3球目の外角低めチェンジアップに「食らい付けました」と技ありの一打で二走・野間を生還させた。

 見逃せばボール球だったかもしれない1球。バットをテニスラケットのように操り、最後は右手一本で捉えた快音に「全く狙っていない球で、たまたま当たったので自分でもビックリしている」と驚き交じりに振り返った。

 相手先発・小笠原とは今季初の顔合わせ。昨年7月7日の一戦では9回完封勝利を献上し、22年7月30日は7回無失点の好投を許していた。この日も五回まで無得点。重い空気が漂い始めたところで飛び出した一打は、22イニングぶりに相手左腕から得点をもぎ取る適時打になった。

 試合前時点で、中日戦は3勝9敗1分けの4連敗中。分が悪い相手だっただけに「負け越していますし、なかなか打てていないというのも分かっているんで、大きな1勝かなと思います」と笑顔でうなずいた。

 8月戦線に突入し、連日の猛暑。ナイターでも蒸し暑さが続く中、小園は暑さ対策として「水風呂」を挙げる。「(1日)2回ぐらい入ったりします」と長年続けている習慣でクールダウンを図っている。就寝時もエアコンはつけているというが「(設定温度を)低くしないようにしている」と細やかな工夫で暑さに備えている。

 この日で4番として50試合目の出場。本人は「打点を挙げられればうれしい。あまり気にはしていないですけど、『4番だから』とかはないです」と自然体で目の前の勝負に臨む。ただ、中軸としてコンスタントに結果を残す姿は間違いなく、首位に立つチームを支えている。新井監督も「彼らしいヒットというか、あんな難しい球をね。いいタイムリーヒットだったと思います」と満面の笑みで称賛した。

 「本当に、ピッチャーに頑張っていただいている。僕は守備で迷惑をかけているので、もっと練習して頑張ります」と表情を引き締めた小園。攻守で輝きを放ち、真夏の戦いを引っ張っていく。