「DeNA2-4阪神」(2日、横浜スタジアム) 甲子園を離れても強いで!!夏のロード初戦となった阪神は、森下翔太外野手(23)が六回に球団歴代4位タイの8試合連続打点となる同点適時打を放つと、ここから4点を奪って逆転。今季最長の8連勝でセ…

 「DeNA2-4阪神」(2日、横浜スタジアム)

 甲子園を離れても強いで!!夏のロード初戦となった阪神は、森下翔太外野手(23)が六回に球団歴代4位タイの8試合連続打点となる同点適時打を放つと、ここから4点を奪って逆転。今季最長の8連勝でセ最速での50勝に到達し、貯金は今季最多の8とした。首位・広島とは0・5差のままだが、巨人を抜いて2位に浮上。リーグ連覇の鍵を握る夏の陣、最高のスタートとなった。

 どんな重苦しい雰囲気だって、一振りで断ち切る。そんな森下の真骨頂は、横浜の地でも健在だった。相手先発のジャクソンは、試合前まで今季阪神戦防御率0・38。苦杯をなめさせられていた相手にチームはこの日も苦しんだ。五回までをわずか2安打。1点が遠い展開。ただ、森下は全く意に介していなかった。 「自分としてはそこまで。一試合一試合、切り替えるしかない。トータルで負けているとかじゃなくて、今日の試合を勝てばなんでもいいと思うので」

 1点を追う六回1死二塁。言葉通り強気な打撃だった。追い込まれてから、右腕の内角高め直球に食らいついた。打球は詰まりながらも中前へ。「スイングの軌道が良かった分、野手のいないところに落ちてくれた」。両親も観戦に訪れていた中、難敵を打ち崩し、もぎ取った1点だった。

 流れを引き寄せた同点の一打で8戦連続打点を記録。2リーグ分立後、球団では04年・桧山進次郎以来8人目の快挙に。「(中野)拓夢さんが送ってくれてチャンスが回ってきている。一回のチャンスを無駄にしないようにこれからもしていきたい」と胸を張った。

 先日甲子園で行われたイベントで、小学生と交流する機会があった。森下が伝えたのは「楽しんでやること」の大切さ。それは自身も日々大事にしていることだ。「楽しまないと毎日試合やってるのもつまらなくなるので」。毎日何か一つでも楽しいことを見つけるように意識。それでもどうしても気が乗らない日もある。

 「毎日練習で毎日試合はきついです」。どうやって乗り越えているのか。尋ねると、森下はこう言い切った。「もう結果じゃないですか。結果が出れば、勝てば、報われるので」。追い求めるのは結果だけ。結果を出すためだけに、日々バットを振り込んでいる。

 初回には8戦連続安打となる左前打も記録。後半戦は27打数15安打、打率・556に。圧倒的数字を残し、チームに貢献し続けている。長期ロード白星発進を決め、チームは今季最長の8連勝、今季最多の貯金8に。そして21年以来のリーグ最速50勝に到達した。「先制点を取られても粘って粘って終盤に一気に大量得点を取れているのが今のタイガースの強さ。粘り強くやっていきたい」。8月も、森下がいれば心配無用だ。

 ◆阪神が50勝一番乗り 阪神がセ・リーグ50勝一番乗りとなった年は今季で9度目。過去8度のうち、優勝シーズンは4度となる。なお、昨季までの過去10年の50勝一番乗り球団で優勝を飾ったのは7球団を数えV確率70%。過去10年の球団とシーズン最終順位は14年=巨人(1位)、15年=巨人(2位)、16年=広島(1位)、17年=広島(1位)、18年=広島(1位)、19年=巨人(1位)、20年=巨人(1位)、21年=阪神(2位)、22年=ヤクルト(1位)、23年=広島(2位)。