◆パリ五輪 第6日 ▽体操男子 個人総合決勝(31日、ベルシー・アリーナ) 体操男子体操個人総合決勝が行われ、21年東京に続く五輪連覇を目指した橋本大輝(セントラルスポーツ)が84・598点で6位に終わった。千葉・成田市立高岡小6年時の担任…

◆パリ五輪 第6日 ▽体操男子 個人総合決勝(31日、ベルシー・アリーナ)

 体操男子体操個人総合決勝が行われ、21年東京に続く五輪連覇を目指した橋本大輝(セントラルスポーツ)が84・598点で6位に終わった。千葉・成田市立高岡小6年時の担任で、現在は白井市教育委員会の渡部哲也教諭(45)が、橋本の少年時代を語った。

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 同級生は12人。周りは田んぼと山に囲まれ、近くにはコンビニもない。いつも校庭には動物の足跡があった。そんな田舎の小さな学校から世界チャンピオンが誕生した。

 「活発で負けず嫌い。何でも一生懸命取り組む子でした」。エプロンを作った家庭科の授業でも、橋本は最後まで一人で作品を完成させた。「几帳面。まっすぐに縫うことも自分が納得いくまでやる。そういう姿勢は昔から変わっていないのかもしれないです」。

 小6ですでに腹筋は6つに割れ、バキバキ。体力テストではトップの項目が多く「上体起こしはダントツで、反復横跳びも速かった」と運動神経も頭一つ抜けていた。クラスでは「元気で明るくてムードメーカー。切り込み隊長的なところもあった」。低学年のお世話や、学校対抗の行事では率先して練習に励み、クラスメートを鼓舞する姿もあったという。

 教室でも一二を争うほど小柄で、身長150センチ未満だった橋本。そんな小さな少年は当時からとてつもなく、大きな野望を抱いていた。卒業文集に書かれたみんなの将来の夢。橋本の欄には、枠いっぱいに力強く「世界一の体操選手になる!」とある。卒業式でも「将来は体操選手になる」と宣言した。「将来、有名になってね」と女子からはサインも求められ、みんなの期待を背負ってきた。「夢を持ってそのまま突っ走っているなと思います」と渡部教諭。夢を記した10年後、橋本は世界を舞台に戦い続けている。