水質が懸念されたセーヌ川で実施されたトライアスロン。(C)Getty Images 不安の渦巻く状況下で“強行”された。現地時間7月31日に行われたパリ五輪のトライアスロン競技だ。 選手たちの健康状態も懸念される異常事態が起きていた…
水質が懸念されたセーヌ川で実施されたトライアスロン。(C)Getty Images
不安の渦巻く状況下で“強行”された。現地時間7月31日に行われたパリ五輪のトライアスロン競技だ。
選手たちの健康状態も懸念される異常事態が起きていた。
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というのも、スイムの会場となっているセーヌ川の水質が雨天の影響で悪化。同川はパリ市内の汚水と雨水が同じ配管を通って流れ込むため、国際トライアスロン連合が設ける基準（100ml中の大腸菌数は1000個以下）を超過した。
28、29日のスイムの公式練習が中止になったトライアスロン競技は、30日に行われる予定だった男子の競技が延期に。そうした中で異例の男女同日開催となった。
この日、銀メダルを獲得したジュリ・デロン（スイス）は、「水流が強かったので泳ぐのが難しかった。それ以外は普通の水だった」と冷静にコメントした。だが、海外メディアからは、悪条件下で強行した大会運営に疑問の声が上がった。
豪老舗紙『The Sidney Morning Herald』は「悲惨な女子トライアスロンで、最も選手たちに被害を与えたのは川の汚水だけではなかった」と指摘。前日に降り続いた雨の影響で路面が滑りやすくなり、転倒者が目立ったことをリポート。その上でレースに参戦していた母国代表のソフィー・リンのコメントを紹介している。
「私たちが経験した、この2時間には言葉がないです。考えられるあらゆる悪天候がありました。流れの強い川の潮流、雨によって滑る路面、うだるような暑さ、湿気、そして人混みなど、すべてがそうです」
注目を集めたセーヌ川の状況について「水中は透明ではなかったし、何より流れが今回の最大の問題でした。私が今まで泳いだ中で流れは一番激しかった」と語ったリンは、「バイクでクラッシュに巻き込まれなかったのはラッキーだったと思います」とも振り返っている。
「石畳はすごく滑りやすくて、白線もたくさんあって、技術が求められるコースでした。まぁ、本当に悪条件ばかりが重なっていたと思います。まるで、とても奇妙なテレビゲームを本当にやっているような気分でした」
選手たちも細心の注意を払いながら行われたレース。大事に至らなかったのはまさに幸運だったと言えよう。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]
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