カヌースラローム男子カナディアンシングルの羽根田卓也にとって、5度目の五輪は準決勝敗退に終わった。37歳。スタミナが心配された終盤に二つめのゲート接触があり、失速した。東京五輪後は一時引退もよぎったが、周囲の後押しで現役続行を決めた。20…

 カヌースラローム男子カナディアンシングルの羽根田卓也にとって、5度目の五輪は準決勝敗退に終わった。37歳。スタミナが心配された終盤に二つめのゲート接触があり、失速した。東京五輪後は一時引退もよぎったが、周囲の後押しで現役続行を決めた。2028年ロサンゼルス五輪への挑戦については「正直、まだ考えていない」と明言しなかった。

 カヌースラローム男子カナディアンシングルの羽根田卓也は、準決勝最後の競技者を見届けて唇をかんだ。

 一つ順位を落とし、13位。大型画面に映る結果をぼうぜんと見つめた。12人で争う決勝には2秒87届かなかった。

 「プラン通りではなかった」

 そう悔いるのは、23あるゲートのうち20番目の接触だ。「想像以上に体力を消耗した」と、その後の失速につながった。接触は序盤の一つと合わせて計2回。4秒のペナルティーを受けた。

 コロナ下の東京大会を経て、37歳で挑んだ自身5度目の五輪。「熱狂の中で競技を見てもらえてよかった」と悔いはない。6度目を狙うか問われ、「パリのために全てを費やしてきた。終わった瞬間に『はい、次』というわけにはいかない」。(加藤秀彬)