<パリオリンピック(五輪):フェンシング>◇29日◇女子サーブル個人◇3回戦◇グランパレ【パリ=木下淳】日本選手団の女性旗手を務めた、世界選手権2連覇中の江村美咲(25=立飛ホールディングス)が3回戦でまさかの敗退となった。世界ランキング2…

<パリオリンピック(五輪):フェンシング>◇29日◇女子サーブル個人◇3回戦◇グランパレ

【パリ=木下淳】日本選手団の女性旗手を務めた、世界選手権2連覇中の江村美咲(25=立飛ホールディングス)が3回戦でまさかの敗退となった。世界ランキング2位の自身に対し、同18位の韓国選手に前半4-8とリードされ、そのまま敗れた。

日本の個人初となる金メダルは前日、男子エペの加納虹輝(26=JAL)が達成。江村は女子初、種目初の五輪制覇を目指していた。男子はフルーレの太田雄貴が08年北京五輪で銀、エペの加納が金。女子とサーブルは表彰台に立ったことがなく、フェンシング発祥国の1つであるフランスに歴史を塗り替えに来たが、果たせなかった。

21年、この競技で日本初となるプロ宣言。実業団に入らず、立飛HDを筆頭に複数社からの支援で競技に専念してきた。22年、世界選手権制覇。23年、世界ランキング1位からの世界選手権2連覇-。次々と「日本初」の称号を手にしてきたフェンサーは、日本屈指の長身170センチから繰り出すロングアタック、駆け引きを武器に本場で輝くはずだった。

特に昨年の世界選手権V2は、優勝1回のレジェンド太田でも届かなかった日本初だ。「周囲の期待が1回目以上に大きかった分、のしかかる試合前の重みは全く違った」。左足甲の痛み、右上腕三頭筋の肉離れにも耐えての2度目の世界一に「前年が偶然ではない」と自信を深めていただけに、悔やまれる。

1900年パリ万博の会場グランパレに、金メダル最有力候補として立った。1924年以来100年ぶり3度目の五輪を迎え入れた花の都で、金だけ目指してきたが、力尽きた。

前日28日には、柔道女子52キロ級の阿部詩(24=パーク24)が2回戦で敗退。メダルなしに終わっており、日本に波乱が相次いでいる。