<パリオリンピック(五輪):バレーボール・ポーランド3-1日本>◇28日◇女子1次リーグB組◇パリ南アリーナ12年ロンドン大会以来、12年ぶりのメダル獲得を目指す世界ランキング7位の日本が、パリ五輪初戦で同4位のポーランドに1-3で敗れ、黒…

<パリオリンピック(五輪):バレーボール・ポーランド3-1日本>◇28日◇女子1次リーグB組◇パリ南アリーナ

12年ロンドン大会以来、12年ぶりのメダル獲得を目指す世界ランキング7位の日本が、パリ五輪初戦で同4位のポーランドに1-3で敗れ、黒星発進となった。元日本代表主将で、Vリーグ・サントリーの監督を務めた山村宏太氏(43)が、敗因をひもといた。

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ポーランドは昔の日本を見ているかのようだった。14本を数えたブロックの高さはもちろん、あれだけレシーブができるのには驚いた。まさに“怖い”と感じる守備だった。

日本も初戦ながらいい集中力を持って試合に入れていたが、先取できた安心感があったのか、第2セット以降はサーブが弱くなった印象を受けた。第2セットのサーブミスは0本。一見いいように見えるが、リスクを負わなければ上位の守備を崩すことは難しい。もっと攻めていって欲しかった。

途中出場で活躍するのは非常に難しい。そんな中で、和田選手や関選手は持ち味を発揮していた。和田選手の思い切りの良さは流れを変えたし、関選手は得意の真ん中からの攻撃が通ることが多かった。ただ、2人とも細かい部分はもう少し。和田選手はアンダーのパス、関選手は攻撃の選択肢やファーストレシーブがしっかり返らなかった時のトスの精度は、改善できるように感じた。

負けはしたが、収穫も多かった。石川選手や古賀選手の両軸は非常に調子がいいように見えたし、初戦で全選手がコートに立てたことはよかった。準備の大切さや五輪の雰囲気を体感できたことは、プラスに作用する。次のブラジル戦が1次リーグ突破に向けて重要な試合になることは、選手が一番に感じているだろう。全員で攻めていく姿勢を持っていけるかが重要となる。「勝たなければならない」ではなくて「勝ちたい」。その欲望だけをむき出しにして、一丸で戦ってもらいたい。

◆山村宏太(やまむら・こうた)1980年(昭55)10月20日生まれ、東京・東村山市出身。205センチの長身ミドルブロッカーとして筑波大時代から日本代表で活躍。卒業後はVリーグサントリー入りし、08年北京五輪出場。13年は日本代表主将を務めた。17年に現役引退し、20年にサントリー監督に就任。4季連続で決勝に進出し3度優勝。23年のアジアクラブ選手権では日本クラブ史上初制覇、同年の世界クラブ選手権で銅メダルを獲得。24年に勇退。