<大相撲名古屋場所>◇千秋楽◇28日◇ドルフィンズアリーナ12勝2敗で優勝争いの単独トップに立っていた横綱照ノ富士(32=伊勢ケ浜)が、3場所ぶり節目の10度目の優勝を決めた。ただ一人、星の差1つの3敗で追っていた東前頭6枚目の隆の勝(29…

<大相撲名古屋場所>◇千秋楽◇28日◇ドルフィンズアリーナ

12勝2敗で優勝争いの単独トップに立っていた横綱照ノ富士(32=伊勢ケ浜)が、3場所ぶり節目の10度目の優勝を決めた。

ただ一人、星の差1つの3敗で追っていた東前頭6枚目の隆の勝(29=常盤山)が、結びの一番の3番前で、関脇大の里(24=二所ノ関)を押し出した。この時点で優勝決定は結びの一番に持ち越されたが、その一番で照ノ富士は、大関琴桜(26=佐渡ケ嶽)に上手出し投げで敗れ、賜杯の行方は12勝3敗同士の優勝決定戦に持ち込まれた。

優勝決定戦は、隆の勝に二本差され土俵際まで押し込まれたが、右を巻き替えてかいなを返しながら体を入れ替え、最後は左上手もガッチリ引いて寄り切った。

今年1月の初場所以来の優勝で、横綱としては6度目の優勝となった。2ケタ優勝は歴代15人目。目標にしていた兄弟子だった日馬富士(元横綱)の9回を越えた。歴代1位は白鵬(元横綱)の45回。

既に9敗を喫し、来場所の関脇陥落が決まっている大関貴景勝(27=常盤山)は、立ち合いで右に動いた湘南乃海(26=高田川)に上手投げで敗れ、腹から土俵にはわされた。今年初めて15日間を皆勤した今場所は5勝10敗に終わった。

関脇陣は、大の里が隆の勝に、右ノド輪押し、左おっつけで一気に押し出され9勝止まり。大関昇進への足固めとなる、2ケタ勝利に届かなかった。1場所での大関復帰がなくなった関脇霧島(28=音羽山)は、玉鷲(39=片男波)を寄り切って勝ち越し決定の8勝目。関脇の座はキープした。残る関脇の阿炎(30=錣山)は翔猿(32=追手風)に押し出され8勝止まりながら、こちらも関脇の座は守ったが、大関昇進への足固めの場所とはならなかった。

新三役勝ち越しを決め、初の三賞受賞も決めた小結平戸海(24=境川)は、琴勝峰(24=佐渡ケ嶽)を取ったりで破り2ケタ10勝目。返り三役の大栄翔(30=追手風)は王鵬(24=大嶽)に敗れ8勝止まりだった。

返り入幕の若隆景(29=荒汐)は、北勝富士(32=八角)に渡し込みで勝って11勝目を挙げた。5場所ぶりの幕内勝ち越しを決めている返り入幕の遠藤(33=追手風)は、翠富士(27=伊勢ケ浜)に勝って、幕内では1年ぶりの2ケタ10勝目を挙げた。

次回の本場所は、東京・両国国技館で開催される9月の秋場所で、9月8日に初日を迎える。