パリ五輪開幕当日の26日に起きた仏高速鉄道TGV路線への「破壊行為」をめぐり、犯行目的を五輪の妨害と示唆する不審なメールがフランスと外国の複数のメディアに届いたことが明らかになった。仏メディアが27日に報じた。極左集団との関係をうかがわせ…

 パリ五輪開幕当日の26日に起きた仏高速鉄道TGV路線への「破壊行為」をめぐり、犯行目的を五輪の妨害と示唆する不審なメールがフランスと外国の複数のメディアに届いたことが明らかになった。仏メディアが27日に報じた。極左集団との関係をうかがわせる内容で、検察当局は事件との関連を慎重に調べている。

 TGVを運行するフランス国鉄(SNCF)によると、開会式直前の25日夜から26日未明にパリと北部リール、南西部ボルドー、東部ストラスブールをそれぞれ結ぶTGVの3路線で火災が起きた。パリから南部に向かう路線では破壊行為が未遂に終わった。

 メールが届いた仏メディアの一つ日刊紙プロバンスによると、「パリ五輪の開会式の数時間前にTGV路線に行った破壊行為の犯行声明」との件名で、差出人は「正体不明の代表団」と記されていた。極左集団との関連が指摘される団体の運営するシステムを通じて送信されていたという。

 犯行についての具体的な事実に関する記述はない一方、五輪について「我々はナショナリズムの祭典、国家による人々の征服のための巨大な演出とみなしている」と批判する内容だった。