能登半島地震で被災した輪島市の県立輪島高校陸上部3年の岩波和紗さん(17)が、女子5000メートル競歩で全国高校総合体育大会(インターハイ=読売新聞社共催)に出場する。「決勝進出して、競技ができることに感謝をしながら全力を出し切りたい」と闘…

能登半島地震で被災した輪島市の県立輪島高校陸上部3年の岩波和紗さん(17)が、女子5000メートル競歩で全国高校総合体育大会(インターハイ=読売新聞社共催)に出場する。「決勝進出して、競技ができることに感謝をしながら全力を出し切りたい」と闘志を燃やしている。(武山克彦)

元日は同市水守町の自宅にいた。両親や長姉の泰子さん(26)と 団欒だんらん の 一時ひととき を過ごしていた時、地震に見舞われ、天井の高さほどある棚が倒れてきた。泰子さんが覆いかぶさるようにして守ってくれたが、けがを負い、右ひじは腫れ上がり、痛みすら感じなかった。けがや街の惨状に「もう競歩はできないかもしれない」と思った。

競歩には小学6年で出会った。全員参加の競歩大会に出場した際に「優秀フォーム賞」を獲得した。知人の誘いもあり、地元のクラブに参加した。中学でも入賞することもあり、高校でも陸上部で競歩を続けた。

高校1年生の時に競技中、体力が持たなくなった。病院で貧血だと診断された。1年生の間は表彰台に立つことはなかったが、2年生の時には症状も落ち着き、県大会で3位。北信越大会にも出場した。インターハイ出場が視野に入り、熱も入り始めた頃、起きたのが能登半島地震だった。(続きを読む>>