「阪神7-3中日」(27日、甲子園球場) この男が塁をにぎわせれば、点が入る。それを改めて実感させた。阪神・近本が今季2度目の猛打賞。「得点でかえってきたんで良かったです」。2得点を挙げて、チームトップタイの38得点。リードオフマンとして…

 「阪神7-3中日」(27日、甲子園球場)

 この男が塁をにぎわせれば、点が入る。それを改めて実感させた。阪神・近本が今季2度目の猛打賞。「得点でかえってきたんで良かったです」。2得点を挙げて、チームトップタイの38得点。リードオフマンとしての仕事をきっちりと果たした。

 初回、電光石火だった。追い込まれながら、メヒアの外角直球に食らいついてボテボテの一ゴロ。競走となり、自慢の快足で後半戦初安打を勝ち取った。スタンドも大盛り上がりで空気は虎ペース。中野の犠打で二塁に進み、森下の左前打で先制のホームを踏んだ。

 三回1死からは中前打を放ち、その後は再び森下の適時打で本塁生還。六回も2死から中前打で5月23日の広島戦(マツダ)以来、約2カ月ぶりの3安打となった。「ランナーいてもいなくてもやることは変わらないんで」。そうは言ったが、やはり1番が出ると得点に結びつく。

 岡田監督も前半戦から口酸っぱく求めていたのが1、2番の機能。「そら点なるよ、それはね。なかなか初回からそういう形なかったやん、前半は」。結果として、2試合連続で初回に得点。近本自身も「感じています」と役割を再認識した。

 オールスターではセ・リーグの野手で唯一の無安打。昨季までの球宴打率7割超えのお祭り男が快音を響かせられなかった。それでも、負のオーラどころか余裕さえ感じさせた。1戦目の後は「俺だけやと思ったんですけど、気にせず。全然、大丈夫です。何が大丈夫かわからないですけど」とニヤリ。2戦目が終わっても、充実感たっぷりに球場を後にした。

 その根底には信念があったのだろう。「球宴前とやることも変わらない。変わってないと思います。結果だけなんで」。ブレることはない。昨季は7月25日から15試合連続安打。8月は打率・327、4本塁打、14打点と結果を残した。本領発揮の季節。近本の夏が始まる。

 ◆近本は夏男!! 近本はプロ入りから夏場に強さを見せる。各年の8月月間打率は19年=.250、20年=.352、21年=.403、22年=.242、23年=.327。また各年の7&8月の2カ月合計打率は19年=.270、20年=.321、21年=.322、22年=.284、23年=.301。