「阪神7-3中日」(27日、甲子園球場) ここでマウンドを降りるわけにはいかない。後半戦最初の登板で阪神・大竹は八回のマウンドに「行かせてください」と志願した。8回7安打1失点で今季7勝目。完投することはできなかったが、プロ入り最多128…

 「阪神7-3中日」(27日、甲子園球場)

 ここでマウンドを降りるわけにはいかない。後半戦最初の登板で阪神・大竹は八回のマウンドに「行かせてください」と志願した。8回7安打1失点で今季7勝目。完投することはできなかったが、プロ入り最多128球の熱投で勝利に導いた。

 初回から安定感抜群の投球で試合を組み立てた。この日の最速145キロの直球を軸にチェンジアップなど緩急を交えながら中日打線を翻弄(ほんろう)。三回まで完全投球で攻撃のリズムをつくり、大量の援護にも恵まれた。

 七回を終えて球数は今季最多の101球。「この点差で行くべきだと思ったし。自分が一皮むけるために。(岡田監督から)『点取られたら代えるぞ』と言われて。意思表示とかも思い切ってやろうと」。先発ローテを担う投手としての自覚と責任感、中継ぎの負担を少しでも減らすために指揮官に続投を直訴した。

 八回は連打で無死二、三塁のピンチを背負い、福永に犠飛を許して1失点。後続は抑えて最少失点に防いだ。

 使命を果たす快投に岡田監督は高く評価した。「コントロールがいいから、きょうも無四球やろ。ストレートが本当によかった。スピードとコースというかな」と絶賛。さらに試合運びについても「バッターも点を返さなあかんようになってくるとやっぱり焦ってくるわな。そらもう大竹の術中にはまってしまうわ」と左腕を褒めたたえた。

 勝負の後半戦はまだ始まったばかり。今季はまだ完投がないが、ここからフル稼働だ。「村上とか、才木とか西さんとか見習って。長いイニングを投げれるようにしたいです」と大竹。有言実行の快投でチームに白星を呼び込む。