「高校野球群馬大会・決勝、高崎健康福祉大高崎5-1前橋商」(27日、上毛新聞敷島球場) 春夏連覇への挑戦権を得る白球をがっちりつかむと、本塁上へ突っ伏した。今春センバツ王者・健大高崎が15年以来、9年ぶりとなる夏の県頂点。3打点と貢献した…

 「高校野球群馬大会・決勝、高崎健康福祉大高崎5-1前橋商」(27日、上毛新聞敷島球場)

 春夏連覇への挑戦権を得る白球をがっちりつかむと、本塁上へ突っ伏した。今春センバツ王者・健大高崎が15年以来、9年ぶりとなる夏の県頂点。3打点と貢献したプロ注目・箱山遥人捕手(3年)は、重圧から解き放たれ歓喜の涙を流した。

 「正解も分からず葛藤しながらやってきましたが、きょう、やってきたことが正解だったと証明できた。まだ野球ができる幸せを感じています」

 先制&勝ち越しとなる2本の犠飛を放ち、七回には左手に押し出しの死球を受けもん絶も、ガッツポーズに切り替え仲間を鼓舞。捕手として左右の2年生エースをリードし、昨夏王者を封じた。

 栄光の春から勝負の夏へ向かう日々は苦しかった。関東大会では6打数無安打と苦しみ準々決勝敗退。「みんながついてきてくれてるのに自分のせいで負けた」。ストレスから、グラウンドに出ると腹痛が襲った時期もあった。そんな中、今大会で激戦を勝ち抜くごとに「自分だけじゃない」と再確認。1人で背負おうとせず、仲間を信じて自分のプレーに徹することで自然と打撃も上向き、今大会は5試合で2本塁打12打点と躍動した。

 青柳監督に続き胴上げされた箱山だが、一度は拒んだ。「まだ終わってないから…」。目指す頂はまだ先だ。この夏、この仲間と一番長く白球を追う。

 ◆箱山 遥人(はこやま・はると)2006年4月26日、18歳。東京都足立区出身。176センチ、83キロ。右投げ右打ち。5歳から野球を始め、本木小では「ジュニアヤンガース」に所属し当時から捕手。区立第九中では「江戸川中央シニア」で全国大会4強。健大高崎では1年秋から正捕手としてベンチ入りし、昨春と今春のセンバツ出場。50メートル走は6秒5、遠投は100メートル。二塁送球は1・8秒。高校通算35本塁打。