(27日、第106回全国高校野球選手権香川大会決勝、英明4―3高松商) 決勝で相まみえた高松商は春の香川県大会準決勝で敗れた相手だ。夏の大会の決勝でこれまで3度対戦し、すべて敗れた経緯もあり、リベンジマッチだった。 同点で迎えた五回裏2死…

 (27日、第106回全国高校野球選手権香川大会決勝、英明4―3高松商)

 決勝で相まみえた高松商は春の香川県大会準決勝で敗れた相手だ。夏の大会の決勝でこれまで3度対戦し、すべて敗れた経緯もあり、リベンジマッチだった。

 同点で迎えた五回裏2死満塁。英明の主将でエースの清家準投手(3年)は、バックスクリーンを見上げ、腕を広げながら深呼吸した。気持ちを落ち着かせるためのルーティンだ。

 相手は準決勝までチーム打率トップの高松商の4番高藤快渡選手(2年)。「ここで抑えてこそのエースだ」。

 好打者を三振に打ち取ると、吹っ切れたように、マウンド上で感情を爆発させた。

 英明は昨秋の県大会準々決勝で大手前高松に敗れ、四国大会への連続出場記録が11で止まった。主将としてチームを勝利に導くことができなかったと、自分を責めた。

 大会後、「自分のせいで負けた。主将をやめさせてください」と香川純平監督に直訴した。香川監督は「おまえが引っ張っていかなきゃならん」と引き留めた。

 その後もなかなか結果が出ずに落ち込んだ。支えになったのはチームメートや卒業生の言葉だ。今年オリックスに育成1位で指名され入団した先輩の寿賀弘都さんもその1人だった。「お前なら大丈夫だ」と背中を押してくれた。もう一度主将としてエースとして、チームを引っ張るという決意が固まった。

 高松商の最後の打者を打ち取ると、駆け寄った橋本結真捕手(2年)に抱きかかえられ、涙を流した。

 「苦しい思いばかりだった。重圧や期待もあったが、今は解放された気持ち。甲子園は野球を始めた時からの夢の場所。最高のプレーをしたい」(和田翔太)

 英明・清家準主将 自分たちはそんなに点を取れるチームじゃない。最少失点で抑えることを昨年冬からの課題にしてきた。それができた。甲子園では、投手中心に守り勝つ野球をやることは変わらない。最高の舞台で最高のプレーをしたい。