【パリ26日(日本時間27日)=藤塚大輔】パリオリンピック(五輪)の開会式は、夏季五輪としては初めてスタジアムの外で開催された。セーヌ川では各選手団が船でパレード。ダンスや人気歌手によるパフォーマンスも街中が舞台となり、SNSでも大きな話題…

【パリ26日(日本時間27日)=藤塚大輔】パリオリンピック(五輪)の開会式は、夏季五輪としては初めてスタジアムの外で開催された。

セーヌ川では各選手団が船でパレード。ダンスや人気歌手によるパフォーマンスも街中が舞台となり、SNSでも大きな話題を呼んだ。

現地の海外メディアは、異例の式典をどのように受け止めたのか。終着地点のトロカデロ広場で取材をしていた2人の報道関係者に尋ねた。

地元フランスメディア「Icon Sport」のフォトグラファーは「通常の開会式はスタジアムでの開催でしたが、今回は川で行われた。とても良い試みで画期的だった」と好意的な反応を示した。最後は広場近くのエッフェル塔がライトアップされる演出もあり「とても盛り上がった」と笑顔。一方で式の経過は大型スクリーンの映像で見るだけにとどまり、「流れが分からなかった」と物足りなさも感じた様子だった。

フィンランドの女性ジャーナリストは「TV is best」と繰り返した。式中は映像での演出も多く「私は広場で待っていましたが、最初の3時間近くはスクリーンを見ているだけでした。今回の開会式は、テレビで見るのが最も楽しめたと思います」と分析した。ただ、競技場外での式典は「とても画期的だった」と語り、「たくさんのアーティストも参加して、とても良いショーでした。ウイットに富んでいたと思います」と評価した。

今大会は「広く開かれた大会に」がテーマ。開会式では聖火ランナーが沿道の人とハイタッチするシーンや、LGBTQの人々が一体となって踊りを披露する一幕もあった。ただ、随所に強いメッセージが打ち出されていたものの、式典の全体像がつかみにくい面も否めなかった。

多様性、ジェンダー平等、共生社会。それらの理念を掲げながら、どのように1枚の絵を描いていくのか。パリ五輪での1つの焦点となりそうだ。