<パリオリンピック(五輪):競泳>◇27日◇女子100メートルバタフライ予選◇ラデファンス・アリーナ競泳女子100メートルバタフライ予選で池江璃花子(24=横浜ゴム)のパリ五輪が幕を開けた。最終4組7着、全体14位の57秒82で準決勝進出。…

<パリオリンピック(五輪):競泳>◇27日◇女子100メートルバタフライ予選◇ラデファンス・アリーナ

競泳女子100メートルバタフライ予選で池江璃花子(24=横浜ゴム)のパリ五輪が幕を開けた。

最終4組7着、全体14位の57秒82で準決勝進出。3大会連続、個人種目は2大会ぶりの五輪をかみしめた。19年2月に白血病が発覚。闘病生活を経てリレー代表に滑り込んだ21年東京大会から3年がたち、オーストラリアへの拠点変更など挑戦を続けてきた。神奈川・日大藤沢高3年の平井瑞希(アリーナつきみ野SC)は、56秒71の全体2位で予選通過した。

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照り付ける日差しを浴び、池江は23年秋からオーストラリア・ゴールドコーストの屋外プールで鍛錬を積んできた。観光名所サーファーズ・パラダイスからは車で約10分。老若男女が早朝から泳ぐ開放的な施設には、トレーニング室なども備わる。同時期から拠点を移した男子の瀬戸大也とともに、名伯楽ボール氏の指導を受ける日々を過ごす。

ボール氏の練習は基本的に午前6時開始だ。1日2度の場合は同9時ごろからの休憩を挟み、午後3時半から2時間ほど行う。15人ほどの選手には東京五輪4冠で、この日の100メートルバタフライ予選でも全体5位で通過したマキオン(オーストラリア)らが在籍。18年の短期合宿では「負けることが一切なかった」相手に、大半で先行される。「すごく悔しいけれど、絶対に追いついて日本に帰る。強い気持ちを持たせてくれる環境です」と感謝する。

プール近くに住むことで、水泳に集中できる環境をつくった。日本から短期的に招いたシェフや母、現地に済む日本人の協力を得て、食事面もトレーニングに見合った量に増やした。「これまで『おなかいっぱい』となっていたのが、ごはん2杯も3杯もおかわりする。胃も体も大きくなっている分、自分に必要なものを欲すようになった」。そうして好循環が生まれた。

3月の代表選考会後にオーストラリアへ戻り、そこから帰国することなく欧州入りした。「元々水泳が好きだったけれど、またこうやって気持ちを戻すことができました」。水泳大国に身を置き、大切な感情を思い出せている。【松本航】