(27日、第106回全国高校野球選手権東東京大会準決勝 関東第一6―1二松学舎大付) 5点リードで迎えた八回裏の守り、関東第一はマウンドに背番号1の坂井遼(はる)(3年)を送った。 先頭の打者に内野安打で出塁を許したが、後続を抑えた。九回に…

(27日、第106回全国高校野球選手権東東京大会準決勝 関東第一6―1二松学舎大付)

 5点リードで迎えた八回裏の守り、関東第一はマウンドに背番号1の坂井遼(はる)(3年)を送った。

 先頭の打者に内野安打で出塁を許したが、後続を抑えた。九回には強打者の二松学舎大付の4番、片井海斗(3年)を抑えた。144キロの直球で追い込み、スライダーで空振り三振に。「得意の直球で決めたかったが、冷静になった。三振は、狙っていました」

 どうしても甲子園に戻りたかった。今春の選抜1回戦の八戸学院光星(青森)戦。同点の八回、マウンドに上がった。延長タイブレークに入ると、「緊張しすぎてしまった」。延長十一回、大舞台での緊迫した場面で連打を浴び、3失点。チームはそのまま負け、敗戦投手になった。

 「落ち着いて、一人ずつアウトを積み重ねる」。選抜以降、終盤のピンチで崩れぬよう、精神面の強化を課題にした。

 今大会、準決勝も含め5試合中4試合を継投で勝ってきた。背番号10の畠中鉄心(3年)らが先発し、坂井が救援するというパターンが多い。坂井は「マウンドに上がった人がエース」と、関東第一投手陣の心構えを話す。

 二松学舎大付とは「帝京1強時代を崩そうと、声をかけ合ってきた」(米沢貴光監督)。そんなライバルに勝ち、臨む帝京との決勝。坂井は「やり残したことがある。甲子園に戻りたい」。どんな場面でも臆さず、マウンドに上がるつもりだ。=神宮(中村英一郎)