26日に開会した「パリ2024オリンピック」。馬術競技は日本時間27日の16時30分からベルサイユ宮殿にて開催されるが、その中に引退競走馬であるサラブレッドが出場する可能性がある。馬術競技とは、障害馬術・馬場馬術・総合馬術の3つの種目で…

 26日に開会した「パリ2024オリンピック」。馬術競技は日本時間27日の16時30分からベルサイユ宮殿にて開催されるが、その中に引退競走馬であるサラブレッドが出場する可能性がある。馬術競技とは、障害馬術・馬場馬術・総合馬術の3つの種目で競うもので、近代オリンピックにおける歴史は1900年のパリオリンピックに始まり、1964年の東京オリンピックからは全種目の中で唯一、男女一緒に競い合う競技だ。

 総合馬術のオーストラリア代表「Bold Venture」は父Devaraja、母Royal Zam、母の父Zamoffという血統のサラブレッド。父は94年から95年にかけてオーストラリアで3勝を挙げた。祖母Bold Reineの父父にはアメリカの大種牡馬Bold Rulerがいる。競走馬としては「Hell On Wheels」としてオーストラリアでデビュー。芝の短距離を中心に7回走ったが、勝ち星を挙げることはできなかった。現時点ではリザーブ(補欠)のため、出場が決まっているわけではないが、代表として選ばれフランスの地で調整されている。

 引退競走馬の第二の馬生として注目度が高まりつつある馬術競技だが、オリンピックの舞台においてサラブレッドが出場することは稀だ。16年のリオ五輪にはBlackfoot MysteryとSummon Up Thebloodの2頭、21年の東京五輪にもGlenflyの1頭が元競走馬として出場を果たしているが、どれも総合馬術に限られ、貴重な存在であることは間違いない。

 その他は中間種と呼ばれる乗馬用の品種になるが、それら出場馬の血統を調べると、父系を辿ればそのほとんどがサラブレッドに行き着く。ダーレーアラビアンを祖とするエクリプス系が大半を占めているが、マッチェム系やヘロド系もおり、いわゆる“三大始祖”からサイアーラインが続いているのは競馬ファンにとっても親近感が湧くのではないか。今年日の丸を背負う日本代表の出場馬も全頭がサラブレッドの血を引いていた。世界で活躍する引退競走馬と、サラブレッドと同じ祖を持つ馬たちが織りなす人馬一体の技に注目して欲しい。