◇パリ五輪 ▽バドミントン女子ダブルス(ポルトドラシャベル・アリーナ) パリ五輪のバドミントンは27日から始まる。過去の五輪で金を含む2つのメダルを獲得した“お家芸”の女子ダブルスで、初出場の志田千陽(27)、松山奈未(26)組=再春館製薬…

◇パリ五輪 ▽バドミントン女子ダブルス(ポルトドラシャベル・アリーナ)

 パリ五輪のバドミントンは27日から始まる。過去の五輪で金を含む2つのメダルを獲得した“お家芸”の女子ダブルスで、初出場の志田千陽(27)、松山奈未(26)組=再春館製薬所=は同種目の日本勢では2大会ぶりのメダル獲得への決意をにじませる。秋田出身の志田、福岡出身の松山は出会って12年目のペア。花の都パリから“シダマツ旋風”を吹かせる。

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 “シダマツ”ペアが初の夢舞台へ胸を高鳴らせた。志田が高校1年、松山が中学3年で出会ってから12年目でついに届いた五輪の舞台。松山が「金メダル目指して2人でここまで頑張ってきた」といえば、志田も「シダマツとして、悔いのないような戦いができたらいいな」と意欲を見せる。

 ジュニア代表として出会った時、最初に話しかけたのは「小さい頃の私は『しゃべ子ちゃん』と呼ばれていたぐらいおしゃべり」という志田。互いの第一印象を志田は「人見知り」、松山は「お姉ちゃんと言うより友達」と振り返る。同年の国際大会で初めてペアで試合出場。15年の世界ジュニア選手権では銅メダル。性格は「真逆」というが、攻撃的なスタイルはぴったりだった。17年には1年早く再春館製薬所に入社した志田を追いかけるように松山も同社に入り、社会人でもペアを組むことになった。

 最初はトップ以外のB代表として海外転戦。松山は「最初は五輪が目標より夢としか見られなかった。とにかく目の前の試合を必死にやって、結果を残すことを考えてやっていました」と振り返る。志田の同期の山口茜(27)がトップのA代表で活躍する姿に刺激されながら成長し、20年からはA代表に入った。

 苦難を経て、世界ランキング4位で臨む初の夢舞台。五輪と同じ会場で3月に行われたフランス・オープンは、決勝で同1位の賈一凡、陳清晨組(中国)に1―2で逆転負け。その中でも志田は「シダマツのスピードのあるプレーは通用すると感じた」と手応えをつかんでいる。

 長年培ってきたコンビネーションで挑む舞台。松山は「私たちの集大成は五輪。ここを目指してやってきた。いいプレーをしたい」と力を込める。2016年リオ五輪で高橋礼華、松友美佐紀のタカマツペアが勝ち取った金メダル以来、日本勢2組目の頂点に立ち、新たな歴史を築く。