「ヤクルト6-9広島」(26日、神宮球場) 身をかがめて捕手のサインをのぞき込む顔は自信に満ちていた。苦しんでいた2週間前の姿はもうない。この日から1軍再昇格を果たした広島・島内颯太郎投手が復活の登板。「(1軍に)上がってきて一発目の試合…

 「ヤクルト6-9広島」(26日、神宮球場)

 身をかがめて捕手のサインをのぞき込む顔は自信に満ちていた。苦しんでいた2週間前の姿はもうない。この日から1軍再昇格を果たした広島・島内颯太郎投手が復活の登板。「(1軍に)上がってきて一発目の試合は大事。そこでゼロというのは良かった」とうなずいた。

 “居場所”に戻ってきた。9-6で迎えた八回。昇格即セットアッパーとして7月9日の巨人戦(マツダ)以来のマウンドに上がった。「今、中継ぎのみんなが調子良いので、その中でもう一度、八回に行くのは緊張した」。素直な思いを明かしながらも、先頭から2者連続三振を奪い、四球を挟んで、最後は代打・松本直を右飛で役目を全う。「野手がたくさん点を取ってくれていて、自分の結果だけに集中して投げることができた」と感謝した。

 ファームでの調整期間中はフォーム修正に着手。球速は出ていても、体が開いてシュート回転の球を捉えられていたことを周囲から指摘された。「リフレッシュとは言いたくない」。あくまでレベルアップの期間と捉えて汗を流した。この日、自己最速を更新する158キロを計測。「前と違う自分を見せないと、この世界では生き残れない。自分を見つめ直して、今はしっくりくるフォームで投げられている」と胸を張った。

 勝負の後半戦が幕を開けた。「もうこれを続けていくだけ」。もがき、苦しんだ経験は島内をまた一つ強くさせた。