「阪神5-1中日」(26日、甲子園球場) こんな勝ち方が見たかった。1点リードの七回2死一、二塁で阪神・森下翔太外野手(23)が左越えに勝利を決定づける7号3ラン。初回に2者連続適時打を放った佐藤輝、大山を含めてクリーンアップが奮闘し、後…

 「阪神5-1中日」(26日、甲子園球場)

 こんな勝ち方が見たかった。1点リードの七回2死一、二塁で阪神・森下翔太外野手(23)が左越えに勝利を決定づける7号3ラン。初回に2者連続適時打を放った佐藤輝、大山を含めてクリーンアップが奮闘し、後半戦開幕を勝利で飾った。DeNAを抜いて、3位に浮上した岡田虎。ここからの夏本番、連覇に向かって再進撃といきたい。

 勝負強い森下が帰ってきた。“らしい”フルスイングから放たれた白球は、大歓声に乗ってアーチを描き、左翼スタンドへ。後半戦白星発進をたぐり寄せる一発。右手人さし指を掲げながら、ダイヤモンドを一周した。

 「この感触をずっと待ってました」

 1点差に迫られた七回2死一、二塁。代わったばかりの藤嶋の3球目だった。「ゾーンで勝負してくるかな」とスプリットを思い切り振り抜いた。「完璧なホームランは久々だった」。勝利を決定づける一発は、6月2日・ロッテ戦以来の7号3ラン。甲子園では4月26日・ヤクルト戦以来のアーチとなった。

 「チームに迷惑ばっかかけていたんで、1本大きいのが出て良かった」。少しほっとした様子だった。打撃不振により、7月6日に2軍降格。いつ1軍に戻れるか、先も見えなかった。いつも元気な森下だが、今までにないほど暗い顔をしている時もあった。それでもやるしかなかった。「結果を出すしかない」。いつもそう言って自分を奮い立たせた。試合後1時間、鳴尾浜の室内練習場で打ち込むこともあった。

 19日に1軍復帰してからも、なかなか結果が伴わなかった。後半戦に突入。試合前にはこうつぶやいた。「今日に合わせてきたので。今日打てればいいかなと。今年はいろんなピッチャーにやられてるので、後半戦から頑張りたい」。熱い思いをバットに乗せた。そして、自身としても、チームとしてもスタートダッシュを決めた。「ああいう期間があったから打撃を見つめ直すことができたので、落ちた期間もプラスに捉えて。今、結果が出れば良かったかなと」。やってきたことは無駄ではなかった。

 岡田監督は「結果が出れば自分もこのやり方でいいっていうね、そういうね、気が持てるわけやから。そんなんスイングとしたらまだまだよ」と厳しくも、さらなる奮起を促した。森下は東海大相模の先輩・小笠原からも左前打を放ち、2安打3打点。お立ち台では佐藤輝の横で「アイブラックコンビで頑張っていきたい」と笑った。

 そして「ここから勝ちを続けて必ず優勝したいなと思うので、熱い応援これからもよろしくお願いします」とファンに宣言。試合後には「ここからオリンピックに負けないように頑張りたいと思います。言わせられました(笑)」とちゃめっ気たっぷりに報道陣を笑わせた。昨季も夏場に強かった森下。ここから加速し、今年も後半戦の主役となる。