「高校野球兵庫大会・準決勝、報徳学園5-4社」(26日、ほっともっとフィールド神戸) 兵庫大会の準決勝が26日、神戸市のほっともっとフィールド神戸で行われ、今春センバツ準Vの報徳学園が延長10回タイブレークの末、5-4で夏2連覇中だった社…

 「高校野球兵庫大会・準決勝、報徳学園5-4社」(26日、ほっともっとフィールド神戸)

 兵庫大会の準決勝が26日、神戸市のほっともっとフィールド神戸で行われ、今春センバツ準Vの報徳学園が延長10回タイブレークの末、5-4で夏2連覇中だった社にサヨナラ勝ちした。大角健二監督(44)の思い切った采配で試合の流れを変え、主将・福留希空(のあ)外野手(3年)の一打で決着。明石商は東洋大姫路に1-0で勝利した。決勝は28日に同球場で行われる。

 歓喜と悲鳴が入り交じる中、報徳学園・福留の打球が天を舞う。“逆転の報徳”を演じたナインは笑顔でベンチを飛び出して雄たけびを上げた。

 「自分が決めたいと思っていました」。同点の延長十回1死二、三塁。甘く入ってきた変化球を振り抜き、中越えサヨナラ打を放った。「越えろ!と思った」。主将の一打で激闘が決着した。

 大角監督の決断が命運を変えた。同点の七回に先発・間木が1点の勝ち越しを許し、なお1死一、三塁。ここでエースの今朝丸を投入するも失策が絡んでさらに2点を失い、3点ビハインドの劣勢となった。

 その裏に1点を返し、続く1死一、三塁で打席は今朝丸。指揮官は腹をくくってエースに代打を送った。「いちかばちかではなかった。他の投手を信用していたので」。無得点に終わっていれば、投手二枚看板を失い、窮地に立たされる場面。勝負どころでのタクトにナインは奮い立ち、代打・貞岡の左犠飛から一気に同点に追いついた。

 サヨナラ打が出る直前、カウント1ボール2ストライクでは、福留に球種を問わず次の球をスイングするように指示。ここぞの場面で大胆なサインを繰り出し、福留の快打をアシストした。

 「本当に自分もしびれました」と汗を拭った大角監督。意地でもあと1勝をもぎとり、2018年以来、6年ぶりに夏の甲子園に立つ。