(26日、第106回全国高校野球選手権西東京大会準決勝 早稲田実14―3日大二=五回コールド) 日大二の背番号20の4番打者、杉山晴哉(3年)が早稲田実に一矢報いた。けがであきらめかけたベンチ入りをギリギリでつかみ、高校生活最後となった試合…

(26日、第106回全国高校野球選手権西東京大会準決勝 早稲田実14―3日大二=五回コールド)

 日大二の背番号20の4番打者、杉山晴哉(3年)が早稲田実に一矢報いた。けがであきらめかけたベンチ入りをギリギリでつかみ、高校生活最後となった試合、4番の活躍をみせた。

 2点を追う二回裏、先頭で右打席に立つと、内角寄りの直球を振り抜き、左前へ。後続の二塁打で生還し、1点差にした。「気持ちで負けないようにした」

 中学の野球部では主将で中心選手だった。だが、日大二ではなかなかレギュラーになれなかった。「打てないからやめる」と友人にこぼすこともあった。

 昨冬、打撃フォームを見直すと結果が出始め、今春、1軍に選ばれた。ただ、出場機会が増えてきた5月中旬ごろ、練習試合で左手首付近に死球を受け、3週間の骨折。6月中旬に発表された夏の大会のベンチ入りメンバーでは、ギリギリの20番になった。

 でも、あきらめなかった。練習試合で結果を出した。4番を任される試合もあった。

 今大会も初戦の東京都市大付戦では4番で出場。4打数3安打と勝利に貢献した。準決勝の相手である早稲田実のエースは、左腕の中村心大(2年)。左投げと相性がいい右打者として期待され、4番に起用された。

 日大二は五回にも2点を返したが、最後は力尽きた。試合後、杉山の目に涙はなかった。「ずっと(試合に)出られていなかった悔しさが爆発した」とこれまでの試合を振り返った。そして、後輩にこんな言葉を託した。「練習がうそをつかないかどうかは、分からない。ただ、自分が出られたのは、あきらめずに練習したから」=神宮(中村英一郎)