(26日、第106回全国高校野球選手権西東京大会準決勝 日大三3―2創価) 日大三の5番打者の岡本弦士(ゆずと)(3年)が3連覇の重圧をはねのけ、準決勝で躍動した。 0―0で迎えた四回、先頭で回ってきた打席。内角を突いてきたボールを思いっき…

(26日、第106回全国高校野球選手権西東京大会準決勝 日大三3―2創価)

 日大三の5番打者の岡本弦士(ゆずと)(3年)が3連覇の重圧をはねのけ、準決勝で躍動した。

 0―0で迎えた四回、先頭で回ってきた打席。内角を突いてきたボールを思いっきり振った。「詰まった」と思った打球は、ぐんぐん伸びて左翼席へ。均衡を破り、試合の流れを引き寄せた大きな一打。岡本にとって今大会2本目の本塁打となった。

 「強打の三高」に憧れ、滋賀県の中学校から日大三に入った。自分の強みとする「長打力」を伸ばすため、筋トレにも力を入れた。冬を越えるとベンチプレスの重さは15キロ増え115キロを突破。「球が飛ぶようになった」という手応えを得た。

 だが、今春の都大会、好機で一本が出せず、3回戦で佼成学園に敗れた。「3連覇へのプレッシャーがあった」と振り返る。

 ノーシードで臨んだ今大会。岡本は成長をみせた。準々決勝まで20打数9安打5打点と、打線を引っ張ってきた。

 この日の準決勝では五回、チャンスで打席が回ってきた。ベンチで仲間たちから「頼むぞ」と声をかけられていた。1死二、三塁の場面、夢中になって5球目を振り抜くと、強い当たりで中前へ。貴重な追加点となり、期待に応えた。

 決勝の相手、早稲田実は宇野真仁朗(3年)らホームランバッターを擁する。「負けたくない」。もう3連覇への重圧は感じない。「これだけ練習してきたので」=神宮(西田有里)