元オリックス球団職員で、現在はフリーアナウンサーの大前一樹さん(63)と、朝日新聞スポーツ部のオリックス担当・高橋健人記者が対談する「オリいったお噺」。今回は前半戦を振り返ります。 高橋 オリックスは前半戦、87試合を消化して40勝45敗…

 元オリックス球団職員で、現在はフリーアナウンサーの大前一樹さん(63)と、朝日新聞スポーツ部のオリックス担当・高橋健人記者が対談する「オリいったお噺」。今回は前半戦を振り返ります。

 高橋 オリックスは前半戦、87試合を消化して40勝45敗2分け。中嶋聡監督の就任後、初めての負け越しとなりました。

 大前 5連勝も7連勝もあったけど、乗ってきそうで乗ってこない。一度流れを離しちゃうとすぐに引き戻すだけの力がない感じですよね。

 高橋 監督が前半戦を総括した会見で実績のある野手たちを「自分たちが一番ふがいないと思っていると思う」と話していたのが印象的でした。

 大前 昨季首位打者を取った頓宮裕真選手、2021年に本塁打王の杉本裕太郎選手、昨季に森友哉選手との捕手併用で打撃でも頑張った若月健矢選手は踏ん張りがみたいところです。

 高橋 やはり後半戦の鍵は打線でしょうか。

 大前 そうだと思いますよ。いまのチーム防御率(2・77)は昨季のシーズンを通した数字(2・73)とあまり変わっていません。春先は不安定だったブルペン陣も安定してきています。15年目の左腕、山田修義投手は特に頑張ってる!

 高橋 28試合で防御率2・42ですから、本当にチームを支えていますね。

 打線は苦しい中でも去年まで主力でなかった選手が頑張っています。太田椋選手が61試合で打率2割9分6厘、32打点でクリーンアップを任されています。昨季に育成枠から支配下を勝ち取った大里昂生選手は今季、7月から1軍に出ていますが、打撃にパンチ力があってリードオフマンも担っています。

 大前 主力たちが本来の実力を出せていないいま、ファームにいる野手たちはチャンスです。太田選手のように持っている力を発揮して欲しいです。

 高橋 監督は「このままで終わるチームじゃない。一戦一戦集中してやっていきたい。必ず巻き返せると思います」と後半戦に意気込んでいました。

 2022年は48勝47敗の5位からの逆転でリーグ優勝をしています。数字上では4連覇は厳しくなりつつありますが、ここから上位を争うまでに巻き返す力はあると信じたいです。

 大前 どうしてもマイナスな話ばかりになってしまいますが、そうも言っていられません。3連覇したチームの意地に後半戦は期待していきたいです。