(25日、第106回全国高校野球選手権静岡大会準々決勝 静岡2―0静岡商)九回裏、2点を追う静岡商は1死一塁の場面でこの日3打数3安打の中島健太選手(3年)が左の打席に立った。 相手の静岡は昨秋の静岡市内大会、今年の定期戦と悔しい2連敗を…

 (25日、第106回全国高校野球選手権静岡大会準々決勝 静岡2―0静岡商)九回裏、2点を追う静岡商は1死一塁の場面でこの日3打数3安打の中島健太選手(3年)が左の打席に立った。

 相手の静岡は昨秋の静岡市内大会、今年の定期戦と悔しい2連敗を喫したライバル。さらに、中野桜佑投手(3年)は小学校時代は別々の少年野球チーム、東海大静岡翔洋中では同じチームで、「ずっと自分の上を走っていて勝てなかった」という因縁のめぐり合わせに、闘志がわいた。

 この日は山本敢生(2年)、石間千翔(3年)の両投手が毎回の計12安打を打たれながら2失点でしのいできた。二遊間など内野陣はうまくゴロをさばき、三つの併殺を奪った。左翼を守りながら「心強かった」と中島選手。「よく2点で抑えてくれた」と投手陣の粘り強い投球に力をもらっていた。

 「まっすぐを打つと決めていた」。3安打はセンターから逆方向へはじき返した。九回の4打席目もまっすぐを振り抜いたが、併殺に倒れ、試合終了になった。

 「振り抜いた結果で、後悔はない。春は打てなかったが、スイングの出力を上げて、打撃が成長したと思う」と中島選手。「甲子園に行ってもらいたい」と互いに無失策で戦い抜いたライバル校に思いを託した。(斉藤智子)